桜2 ページ42
智の息抜きになればいいなぁって整えはじめた庭はまだまだ未完成で、桜が咲いたら少しは見栄えがよくなるかもって期待しているの。
手入れの仕方は時々遊びにやって来る智のお母さんと、斜め向かいのおばあちゃんが教えてくれている。
｢そうそう、明日は出版社のパーティに行かれるんでしょう？僕の知り合いも行くんですよ｣
人の良さそうな笑顔で言ってくれたんだけど、私はため息をついた。
｢そうなんだけど･･････｣
｢もしかして行きたくないんですか？｣
｢できればね。いつも断って来たんだけど今回は押し切られたの｣
｢何が嫌なんです？｣
｢着飾らないといけないのが億劫で。いつもの格好じゃだめだって編集さんに言われちゃったから｣
無駄なフェロモンは振り撒きたくないのに。
状況を理解してくれた、私のフェロモン事情を知っている風間君は、私を見て、何とも言えない表情をして｢困りましたね｣と返してきた。
｢あ、そうだ。明日着て行くドレスがおかしくないか見てくれない？20代の頃に着てたものだから、最近の流行に合ってるか分からなくて｣
風間君の奥さんはお洒落な人で、洋服のデザイナーをしている。お洒落な奥さんを見てる風間君ならきっとものの良し悪しも分かるんじゃないかと思ったの。
私にとって風間君は智の昔なじみで、子煩悩な愛妻家でもあることから完全に安全な相手という認識だった。故に今まで警戒心なんて一度も湧いたことがなかった。
相変わらずの引きこもり生活だったから、相談する相手もいなくて困ってたの。
でも焦った顔をする風間君。
｢え！ちょ、ちょっと待ってくださいAさん！｣
｢ふふ。すぐ、すぐだから。待ってて｣
良かった！いい時にいい人が来てくれて。
急いで着替えて風間君の前に出た。
｢どう？｣
私の姿を見た風間君は完全に狼狽していた。
｢き、着てきたんですか!? 衣装だけ見るんじゃなくて!?｣
｢うん、そう。どうかな。変じゃない？｣
｢へ、へ、変じゃないですけど、ちょっと･････、ちょっと僕には･･････刺激が強すぎます･･････｣
言って、真っ赤になって両手で顔を覆って俯いてしまった。
私は自分を見下ろした。
サーモピンクのノースリーブのドレス。体にフィットしているけれど、ところどころにドレープが入っているから体の線がぼやかせてるって思ってるんだけど。
･･･････なんか、だめみたい？
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ao(プロフ) - ひつじーさん» ひつじー様、最後のおまけ更新しましたよ。喜んでいただけたら嬉しいな。無事完結しました。本当にありがとうございました。 (2018年7月3日 8時) (
レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - 小春柴犬さん» 小春柴犬様。最後のおまけを更新しました。これまでコメントをたくさん下さって、本当に嬉しかったです。元気いっぱい貰いました。ありがとうございました！ (2018年7月3日 8時) (レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
小春柴犬(プロフ) - あおさんこんにちは!おまけ追加ありがとうございます!フェロモンムンムンな2人の同棲生活覗けて嬉しいです(*´艸｀*)豚汁作って貰えて羨ましいです（笑）少し久々に来たらおまけ増えててもう興奮しちゃいました! (2018年6月29日 11時) (レス) id: d59263fbc6 (このIDを非表示/違反報告)
ひつじー(プロフ) - おまけの追加！！わ〜ありがとうございます(*ﾉωﾉ)ｷｬ何度でも大歓迎です。幸せ分けてもらってまーす！嬉しい！！ (2018年6月28日 10時) (レス) id: 74e877f3a6 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ひつじーさん» ひつじー様、嬉しいコメント、本当にありがとうございます。嬉しくって載せようか迷ってたお話、さっきアップさせちゃいました（笑）。喜んでいただけたら幸いです。ありがとうございました。 (2018年6月28日 8時) (レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお
| 作成日時：2018年5月25日 14時
