クィディッチの話 ページ31
どうやら、『日刊預言者新聞』とは魔法界の新聞らしい。
そしてその新聞によると、グリンゴッツの特別警戒の金庫を荒そうとした輩がいるとか。しかし、なーんにも盗られていないし、その輩は捕まっていないのだと。
ロンは、陰に『例のあの人』がいるのではないかってみんな怖がるんだよ、と眉を少し下げた。
「君達、クィディッチはどこのチームのファン？」ロンが尋ねた。
さあ、困った。正直、Aはクィディッチを少ししか知らない。そう、例えば魔法界のスポーツであることとか……。だからチームなんて一つだって知らない。
それはハリーも同じだったようだ。「うーん、僕、どこのチームも知らない」
「私もクィディッチは、あんまり知らない」
ロンの目ん玉が「ひえー！」と飛び出した。
「まあ、そのうちわかると思うけど、これ、世界一おもしろいスポーツだぜ……」
今度はロンがハーマイオニーになる番だった。
クィディッチ、とは選手が箒人に乗ってプレイするスポーツだ。それぞれ用途が違う四種類のボールを使う。
まずはじめに、クァッフルと呼ばれるボールで、チェイサーと呼ばれる三人の選手、そしてキーパーが得点を競う。
ここまで聞いたら箒に乗ったバスケットボールの様にも聞こえるが、大きく異なるのはここからである。
四種類のうち、二つがブラッジャーと呼ばれる。このボールは、箒に乗って空中戦を繰り広げる選手たちを、落とそうとする。もちろん選手たちも、それをただで見ているわけではない。ビーター呼ばれる二人の選手が棍棒を使って、ブラッジャーを敵チームに打ち返す。
そして最後。最後のボールは金のスニッチと呼ばれる、本当に小さなボールだ。このボールには羽根が生えていて、シーカーと呼ばれる一人の選手がそれを捕まえる。
他の選手に比べれば簡単に聞こえてしまうかもしれないが、断じてそんなことはない。スニッチはなんせ、小さく、そしてすばしっこい。捕まえるのは難儀する。しかし、捕まえなければならない。何故ならスニッチを捕まえると、１５０点が一気にはいり、そして、捕まえないと試合が終わらないのである。
「ほんとかい？ このコンパートメントにハリー・ポったーがいるって、汽車の中じゃその話でもちきりなんだけど。それじゃ、君なのか？」
ロンが、まさにこれからが面白いと、専門的な話に入ろうとしていた時、またしてもコンパートメントの戸が音をたてた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 145人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼使ヰ | 作成日時：2020年4月25日 18時
