月と殺人犯 ページ24
Aside
夜中に抜け出し、怖いくらいに静かな屯所に、忍び足で帰ってきた私を迎えたのは
近藤さんの困り顔でも、総悟の呆れ顔でも、
ましてや土方さんの特大拳骨でもなく…
籠に入ったおにぎりだった。
『え。なに、罠か何か?』
あんまり勝手に動くから、これを食べたら檻でも出てきて捕獲されるのかな?
恐る恐る覗いた籠には、メモ紙のような手紙が1枚
[江戸で殺人事件があったから出てくる、用心しておけ。勝手に動くな]
簡潔かつわかりやすいメモですね。
だから静かだったわけね。そしてこれを見る限りは、
土方さん達が帰ってきたら例外なく怒られるな。
帰ってくる前までに寝て、知らないフリしとこ。
それにしても殺人なんて怖いなぁ。
隊士総出で出るくらいだから、よっぽどの相手なんだろう。
『さあさ、用心してゆっくりお風呂にでも入りますかね…』
久々に人の目を気にしなくて済む入浴に気分をよくした私は、大きめの独り言ののち、支度を始めた。
おにぎりは後で食べようと机に置き直す
手を伸ばしたそのとき…
バチンッ!!!!
目の前が真っ暗に。
『うわ⁉あれ…ブレーカー落ちた?』
でも今は皆部屋にいないのに、そんなの可笑しいけど
とにかく手元を照らさなきゃ、
机に向き直り手探りでライトを探す私の部屋の障子に
ゆらり、と月明かりによって浮かび上がる影が動いた
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ミュウ - 続きが気になるぅぅぅ (2020年10月31日 22時) (レス) id: 952d396015 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - ありがとうございます。頑張りますね。これからもよろしくお願いします(*^^*) (2017年12月14日 21時) (レス) id: 47e245d859 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 凄く面白いです!更新頑張って下さい! (2017年12月14日 20時) (レス) id: c20e76bf92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちくわ餅 | 作成日時:2017年8月31日 22時