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ふぶさんの言葉にそうですね、と小さく返せば、彼は言葉を続けた。
「でしょ? それにもし何もうまく行かなくたってさ、絶対1人じゃ無い。みんないるよ。うまく行かなくても、誰かが助けてくれる。俺が助ける。ナノと一緒にいられる未来をさ」
「……はい」
 頷き、微笑む。
 満面の笑みを返してくれるふぶさんに、俺は安心しきっていた。
 西軍兵として1人で生きてきた俺を、拾ってくれたのはmsspの3人だ。
 そして、誰かといる事の楽しさを、嬉しさを教えてくれたのはふぶさんだ。
「……あっ!」
「な、なんですか?」
 急に焦ったような顔で慌て出すふぶさんに、俺は声をかける。
「いま、いますっごくいい歌詞思いついたと思うんだけど! どうしよう!」
「…俺の部屋、寄っていきます…?」
「え、いいの?! じゃ、じゃあおじゃまする! まとめたい!」
「じゃあ、どうぞ」
 部屋に招き入れて、紙とペンを渡せば、椅子に座ってペンをひたすら走らせるふぶさん。
 その表情は明るい。口端から溢れるメロディに耳をすませる。
「ん〜、んん〜…キミが…んー」
 すっかり熱中しているらしい。そういえば、作曲家になりたいとか言っていたっけ。
 あの時はどうでもいいと思っていたけど、こういう姿を見ると真摯にそうなんだな、と感じる。
「んー! ここの歌詞が…」
「…俺的に、ここはHello New Worldがいいと思うんだけど」
「隊長?!」
「えおさん」
「やほ、FB、シィナノルト」
 祝勝会はと聞けば、まだ続いているそうだが抜けてきたそうだ。
 一番の功労者がここにいるのもどうかと思っていれば、きっくんとあろまさんが皿を持ってそこにいる。
「すぽおおん! 漆黒の堕天使による2次祝勝会じゃー!」
「おらさっさと運べやえおえお、FB」
「俺ぇ?!」
 理不尽にも呼ばれた。まぁあろまさんはそう言う人なので諦めた方がいい。
 俺も配膳を手伝いながら、机に料理が並ぶ。
 ふぶさんはえおさんと2人で歌詞を考えだしたらしい。きっくんが音を作りたいと騒ぐ。
 あろまさんと俺はといえば、まぁ、見て楽しむくらいの事しか出来ないけれど。
(あぁ、でも)
 俺はピザを口に運びながら、ふぶさんを見て緩んだ頬のまま笑った。
(本当に、幸せだ)
 出来た!
 そう言って子どもみたいに喜ぶふぶさんに抱きつかれながら、俺はまた笑った。

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長閑(プロフ) - 麒麟さん» 書いてる話が男主なんでどうしてもそういうふうに傾いてっちゃうんですよね、なんででしょう(すっとぼけ←) 読んでくださってありがとうございました! (2015年6月28日 19時) (レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)
麒麟 - 面白いです!これはホモォ・・・「(^o ^)」な展開ですかね・・・! (2015年6月28日 18時) (レス) id: a165517e8f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:長閑 | 作成日時:2015年2月28日 3時

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