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※ＦＢ視点
「じゃあ俺、先に部屋に戻ります」
ナノは一足早く席を立ち、そう言った。
祝勝会で盛り上がる隊の中で、先に行こうとするナノについて俺も戻ると告げる。
廊下を静かに歩きながら、ナノが俺を見た。
「別に、ふぶさんはこなくても良かったんじゃ」
祝勝会のお陰で全員食堂の方に集まっている。一般部隊の兵達もいない。
確かにナノを心配する原因はここにいない。
「んー、俺がこうしたいからいいの」
「…はぁ。そうですか」
どこか呆れにも似た表情で頷いたナノは、静かに俺の隣を歩く。
俺は横目にナノに視線を向けた。
ナノが着ているシャツ。少し開けられた首元から見える包帯。ほんの少し、赤が滲んでいる。
脇腹にも被弾したそうで、包帯はおそらく全身のあちこちにまかれているのだろう。
「……ナノ、痛くない？」
「え？ …あ、怪我ですか？ へいきですよ」
「そっか。ならいいんだけど」
「それよりふぶさんですよ。あんな熱風の中突っ切る人なんて初めて見ました。…やけど、大丈夫なんですか？」
そう言ってナノは俺を見上げる。
あろま曰く、俺のやけどは見た目程酷くはないらしい。傷跡も特に残らないと言われた。
だが、俺が怪我をした原因が自分に起因しているとなれば、ナノも不安なのだろうか。
「まったくへいき！ 俺ってかだらだけばじょうぶ…ｗｗ」
「かだらだけば？」
「か、身体だけは、丈夫だから！ｗｗ」
俺が焦って言い直せば、ナノが笑う。
最近になって、ナノがよく笑ってくれる様になった。
前、きっくんがナノを教育係に任命する！ って言った時辺りからかなぁ。
「ナノ、よく笑うようになったよねー」
「…変、ですか？」
「いーやまったく！ むしろ嬉しい！ ナノが笑ってくれるの俺嬉しいよ」
「…そう、ですか」
ナノは少しだけ恥ずかしそうに顔を伏せて、また笑った。
ふと思い出した顔で、ナノは俺を見上げる。
「そういえば、俺ふぶさんの教育係とかでしたね」
「うん、俺もさっき思い出した所」
とりあえずと、俺はどうしていま、と聞いた。
「…いえ、必要ないような気がして。だって、ふぶさんはもう立派にｍｓｓｐの一員ですから。別に、あれこれ俺が口を出す様な事はないと思いますし」
そう呟きながら笑ったナノは、手を組んで伸びをした。
薄暗い廊下の照明が赤髪の色を際立たせて、赤の光を放っていた。
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長閑(プロフ) - 麒麟さん» 書いてる話が男主なんでどうしてもそういうふうに傾いてっちゃうんですよね、なんででしょう（すっとぼけ←） 読んでくださってありがとうございました！ (2015年6月28日 19時) (
レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)
麒麟 - 面白いです！これはﾎﾓｫ・・・「(^o ^)」な展開ですかね・・・！ (2015年6月28日 18時) (レス) id: a165517e8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長閑 | 作成日時：2015年2月28日 3時
