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屋上で話す2人の姿を見ながら、俺は下であろまの手伝いをしていた。
俺のやけどは特に酷くもなくて、暫く安静にしていれば大丈夫だとのこと。
「…2人見えるの?」
「わッ! た、たいちょー…びっくりさせないでくださいよー…」
ごめんごめん、と軽く返してくる隊長に、俺は苦笑を返した。
「こっから見えるなんて、やっぱりFB眼いいな」
「まぁ、俺の持ち味ってそこなんで! てへへー」
「…シィナノルト、結構厄介な相手だったでしょ」
隊長がレーション片手にそう呟く。
その言い方に、俺は少しだけむっとした。
「ナノを、そんな言い方しないでください」
「…ん、あぁ、悪ぃ。いまのは言い方が悪かった」
やや慌てた様子で、隊長が顎をつまむ。
言い回しを考えているらしく、俺はそれを待つ。
「えっと…、俺が言いたかったのは。なかなか心開いてくれないから、信じてる事伝えるの大変だっただろ、って言いたかったんだ。シィナノルトはいいヤツだけど、あまり自分のこと話さないし」
「…それは、そうだけど…でも、そんな事ない」
「…そう言ってくれるなら、いいんだけどさー」
隊長がそう言って、俺を見た。
「きっくんが呼んだ理由、聞いてたとは思うけど。どう?」
「…それに応えられたかどうかはわからないけど…、ナノを信じてるのは確かです」
「……そっか。じゃあいいな」
屋上から降りてきたきっくんとナノに、俺は大きく手を振った。
きっくんが振り返してくれて、ナノも小さく振り返してくれた。
「珍しいね、シィナノルトがあんなことするとか」
「え、そうなんですか隊長?」
「だって基本あぁいった事しないタイプだし、シィナノルト」
「んー? ナノーやっほー」
俺がナノを呼び、再び手を振った。
それに少し驚きつつも、控えめに振り返してくれる。
「ほら」
「ほらっていわれてもな。…なんだかんだ言って、しっかりお前に影響されてんのかね」
「……そうなのかな」
それなら嬉しいけどなぁ、と何気なく思いながら、俺と隊長もあろま達の方へ歩みを進めた。
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長閑(プロフ) - 麒麟さん» 書いてる話が男主なんでどうしてもそういうふうに傾いてっちゃうんですよね、なんででしょう(すっとぼけ←) 読んでくださってありがとうございました! (2015年6月28日 19時) (レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)
麒麟 - 面白いです!これはホモォ・・・「(^o ^)」な展開ですかね・・・! (2015年6月28日 18時) (レス) id: a165517e8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:長閑 | 作成日時:2015年2月28日 3時