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俺の部屋に辿り着くまで、俺とふぶさんは無言だった。
沈黙のまま、俺の部屋にたどり着く。
「ありがとうございます、ふぶさん」
「いえいえ！」
パッと表情を明るくするふぶさんに軽く頭を下げ、俺は扉を開けようとした。
「…ナノ、……あの、さ」
「はい？ なんです、ふぶさん」
扉を開けようとした手を止め、ふぶさんを見る。
ふぶさんは俺の視線から軽く顔を逸らして、言う。
「…あの…俺、ナノの味方だから。いつでも相談に乗るから。だからナノ…、１人で、抱え込まないでね…」
「……はい、ふぶさん」
やんわりと言葉を返して、俺は部屋の扉を開ける。
足を進めようとすれば再びふぶさんに引き止められた。
「…なんですか？」
「ナノ…はさ」
「はい」
「……俺といるの、楽しい？」
「…楽しい…ですよ？」
この人は俺のもってないものを持っている。
この人といる時を、嫌じゃないと思っているのは事実だ。
「じゃ、じゃあさ…、あの、俺と一緒にいるの、好き？」
「……す、き？」
好き、ってなんだ。好きって。
前に同じ話をしていた時、ふぶさんは「俺といる事を好き」だと言った。
だが、俺にはその好きという概念がよくわからない。
「…俺は…、」
「ナノ」
ふぶさんが俺を引っ張った。
体勢の崩れた俺の身体はふぶさんに倒れこむ様にあたって、俺の耳にそっとふぶさんが囁く。
「俺、ナノの事、好きだよ」
「……っ？！」
するりと手が離され、ふぶさんは踵を返す。
去って行ってしまう背を呆然と見送りながら、俺は扉を伝ってずるずるとへたり込む。
耳を押さえる。声が、耳にこびりついているみたいだ。
「…っ…、あの、新参兵が…ッ！」
顔が熱い。目頭も熱い。
こんなの初めてで、わけがわからない。
慌てて部屋に駆け込み、ベッドに沈み込んだ。
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長閑(プロフ) - 麒麟さん» 書いてる話が男主なんでどうしてもそういうふうに傾いてっちゃうんですよね、なんででしょう（すっとぼけ←） 読んでくださってありがとうございました！ (2015年6月28日 19時) (
レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)
麒麟 - 面白いです！これはﾎﾓｫ・・・「(^o ^)」な展開ですかね・・・！ (2015年6月28日 18時) (レス) id: a165517e8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長閑 | 作成日時：2015年2月28日 3時
