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「…や、やっちゃった…!!」
俺は部屋に駆け込んで扉を閉め、ずるずると扉伝いにへたり込んだ。
ついにだ。ついに言ってしまった。
いや、いつから?
なんて言われるかもしれないけど、正直一目惚れだよあの人には!
あの人には敵視されてるみたいだったし、あんまりいいように思われてもないみたいだったからずっと堪えてたけど、もうさ、あんな顔されたら無理だよ!
(…本当に、辛そうだ)
本人はまったく気づいていないみたいだった。
俺と事情を話していた時のナノの表情が、無意識にでも辛そうな表情だった。
だから、思わず抱きしめずにはいられなかったのだ。
ナノが傷付けられるのは、嫌だ。
「……好き、だ」
好きだから。好きだから、傷ついているのを、傷つけられるのを見るのは嫌なんだ。
だから、守りたい。
「…きっくんは…なんで、こんな状況に俺を」
だが、いることは変わらないのだ。
この状況に呼ばれたのは自分なのだ。
「……ナノを、守らなきゃ」
ナノのために、できることをしなきゃ。
……あぁ、それにしても
「言っちゃったなぁ〜〜」
明日からちゃんとナノの顔見れるのかな、俺。
やばいくらい恥ずかしい。
いや、言ったことを後悔する気はないけど、それでもやっぱり恥ずかしい。
恥ずかしさがどわっと押し寄せてきて、ナノ置いて部屋まで歩いて来ちゃったし。
小走りにはならなかったけど競歩みたいになっちゃったし。
不審だったよ絶対。
大丈夫かな。てか、ナノに怒られたりしたらどうしよう。
拒絶されたりとかしたら、どうしよ。
「……大丈夫かな……」
明日からの俺。
もしかしたら、いらない面倒事を出したってmsspを除名されちゃうかもしれない…
「…でも…、嘘は吐けないよな」
ナノに触れた手を開き見る。
そんな手をぎゅと握り、俺は膝を抱えた。
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長閑(プロフ) - 麒麟さん» 書いてる話が男主なんでどうしてもそういうふうに傾いてっちゃうんですよね、なんででしょう(すっとぼけ←) 読んでくださってありがとうございました! (2015年6月28日 19時) (レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)
麒麟 - 面白いです!これはホモォ・・・「(^o ^)」な展開ですかね・・・! (2015年6月28日 18時) (レス) id: a165517e8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:長閑 | 作成日時:2015年2月28日 3時