青の眼は星に近づく ※F ページ7
あれから数日が経った。俺達は未だ、ジュードにジュード自身の事を聞けずにいる。
いま、俺達はジュードとF91の指示の元、外部演習場で別の班との模擬戦の途中だ。今日は久々にあろまも参戦しており、きっくんと一緒にえおえおのフォローをしながら進軍している。
俺はと言うと、目標地点から約3キロ後方地点からスナイパーライフルを構えていた。スコープの左端に敵影が見える。
「きっくん、左舷から」
『りょーかい!』
きっくんの側から敵兵役5人が現れる。俺は後方の3人を狙撃で昏倒させ、前方の敵兵をきっくんが相手取り、昏倒させる。
『さっすがFBクン! オッ、えおチャンあろまチャンそろそろぶつかるぜ〜』
『うるせぇ』
『知ってる』
『FB、狙撃したら移動。向こうにも狙撃兵がいるから』
「うん!」
インカムの向こうのジュードに頷く。俺は建物から移動する為に非常階段を降りる。
『FB〜! 援護射撃ほしいから急いで〜!』
「えぇいま!? 待って俺まだ移動中だから」
『遅ぇんだよでぶ』
「あろまちゃんひどい!」
大慌てで狙撃ポイントに移り、ライフルを構えて引き金を引く。模擬弾が敵兵にヒットし、昏倒した。
ピウ、と俺の頬を模擬弾が掠めていった。敵兵役の狙撃だ。若干移動しつつ、1キロほど向こうの建物の影にいる事を確認した俺は、ライフルを構える。
(この距離、余裕だな)
引き金を引く。かすかなマズルフラッシュと共に模擬弾が射出された。音の無い死神を模したそれはまっすぐに敵兵の頭を打つ。
しばしの間の後、大きな電子音が鳴った。終了の合図だ。
終了の合図を受けて、インカムの向こうで皆がワイワイと談笑していた。俺はそれに軽く苦笑しながら、大きく息を吐く。
(ちょっと集中し過ぎたな…)
最後は走ったり敵の狙撃兵のへの対応なんかもあって、かなり必死だったし。
(眼が痛い…)
疲れ目は嫌だなあと眉間を揉みながら大きく深呼吸し、遠くに視線を向ける。
「ん?」
視線を上に、空に向ける。
空の青の中に、ポツポツとした僅かな光があった。
「何だ…?」
飛行機か? でも、軍学の上を飛ぶ航空機はほぼ無い筈だ。
それなのにあの光はなんだ?
ライフルのスコープを外して、空に向ける。そうして覗き込んだ先にあったものに、俺は息を呑んだ。
「……星……?」
真昼の青空を、宇宙の星々が穿っていた。
青の眼は星に近づく_2 ※F→←お前たちがおれ達の希望になるのだろうと ※F9
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長閑(プロフ) - 代口さん» 初めまして、コメントありがとうございます!当作品を読んでいただきありがとうございます。楽しんでいただけて嬉しいです!趣味詰め詰め小説ですが今後もゆっくり更新していきます。よろしくお願いします〜! (2022年8月9日 1時) (レス) id: 4a86d0b1da (このIDを非表示/違反報告)
代口 - 初めまして、コメント失礼します。話に引き込まれて最後まで読んでしまいました、とても素敵な作品と出会えて良かったです。今後の更新も楽しみにしています。 (2022年8月5日 6時) (レス) id: fb96c304db (このIDを非表示/違反報告)
長閑(プロフ) - 陵さん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけて嬉しいです!お話は短編の方にその後の話としてあげようと考えていますのでしばしお待ち下さい!読んでくださりありがとうございました!ゆっくりですが今後も更新していきます。よろしくお願いしますー! (2022年5月3日 1時) (レス) id: 4a86d0b1da (このIDを非表示/違反報告)
陵(プロフ) - コメント失礼します!完結おめでとうございます!!とても素敵な作品に出会えて幸せです、、!5人のお話や脳筋ぶち破り話(?)も楽しみにしています!! (2022年5月2日 2時) (レス) @page50 id: ef30949f28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:長閑 | 作成日時:2020年1月26日 3時