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新学期_5 ※E ページ30

なんかあろまとFB、2人とも調子悪いのかと思った。
 2人ともいつもより動きが悪いし、なんかギシギシしてる。変な感じだ。
 再度の手合わせを終えて床に転がされたFBとあろまがそれぞれ渋い顔をしてこちらに帰ってくる。
「お疲れ〜。ジュード強ぇね」
「ホントにさ。も〜…ホント。全く歯が立たないよねぇ」
 顔いっぱいで苦笑し、FBがそう言う。あろまも口は開かないが大きく息を吐いていた。
 審判としては特に何もしなかったF91が、ニコニコしながら俺達の方にやってきては笑い混じりで皮肉る。あろまが鋭くF91を睨めつけながら「うるせぇ」と言い放っていた。
「あ!」
 突然、俺たちの後ろから大きな声が上がった。声の主は俺達の横を通り過ぎてジュードのもとへと向かっていく。
「お久しぶりで〜す」
「…ああ。久しぶり、どうしたの?」
「久々にこっちに帰って来られたんで軍学に来て先生に会いに来たわけですよ」
「だからって昼前ど真ん中に来るのすごいなあ」
「時間間隔もガバなんでね」
「嬉しそうにしない」
 わいわい話し始めた2人に、あろまが機嫌悪そうに「あいつは?」とF91に問うた。
「アイツ、去年担当してた生徒。結構やべ〜ヤツ。強ェんだけどな」
「お前が言うな」
「じゃあ俺らの先輩か」
 F91も大して警戒している様子はないから、ジュードに危害のある人間ではないんだろう。
 ただし、少しソワソワはしている気がする。
「斧あればおれ強いからね。一発でポンして終わりだから」
「でも素手貧弱だよね蛮族なのに」
「そこはほら、工作できるから多少ガバでも許されるから」
 2人はのらりくらりと話を続けていて、俺達は面白くないがしかし手も出せないという状況で沈黙していた。
 不意にきっくんが走り出し、ジュードの背面から飛びついた。F91は笑いながらその後ろについていく。俺とあろまとFBは顔を見合わせて、2人についてジュード達のもとへと向かった。
「うっ」
「ジュード先生! もう今日は解散なの? なんかない? なんもない? 教室戻んねーの?」
「きっくん、飛びつくのやめよう…びっくりしたよ…」
「ゴメンなさ〜い。…なーセンパイ、ジュード先生もう俺らがもらってっていい?」
「…なるほどこれはウ」
「コラ」
 閃いた顔で口を開いた先輩の言葉を、F91が鋭く遮った。
「…ウ?」
「ジュードは気にしなくていーんだよ。テメーそう言うネタ振るなっていつも言ってんだろ」

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長閑(プロフ) - 代口さん» 初めまして、コメントありがとうございます!当作品を読んでいただきありがとうございます。楽しんでいただけて嬉しいです!趣味詰め詰め小説ですが今後もゆっくり更新していきます。よろしくお願いします〜! (2022年8月9日 1時) (レス) id: 4a86d0b1da (このIDを非表示/違反報告)
代口 - 初めまして、コメント失礼します。話に引き込まれて最後まで読んでしまいました、とても素敵な作品と出会えて良かったです。今後の更新も楽しみにしています。 (2022年8月5日 6時) (レス) id: fb96c304db (このIDを非表示/違反報告)
長閑(プロフ) - 陵さん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけて嬉しいです!お話は短編の方にその後の話としてあげようと考えていますのでしばしお待ち下さい!読んでくださりありがとうございました!ゆっくりですが今後も更新していきます。よろしくお願いしますー! (2022年5月3日 1時) (レス) id: 4a86d0b1da (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - コメント失礼します!完結おめでとうございます!!とても素敵な作品に出会えて幸せです、、!5人のお話や脳筋ぶち破り話(?)も楽しみにしています!! (2022年5月2日 2時) (レス) @page50 id: ef30949f28 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:長閑 | 作成日時:2020年1月26日 3時

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