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踏み入らぬもの ページ11

「…もう、なんでお兄ちゃん達は次から次へとワチャワチャ色々あるのかなあ」
 呆れ半分、心配半分。誰かが置いたままにしていたスツールにどっかりと腰掛け、P*sukeはそう嘆いた。
「まあまあ…3人とも、どれひとつとしてわざとではないんだし」
「そうだなァ、ここらでそろそろきくおもなァ〜んかしてくれねーかね、その方が面白いんだけど」
「何もなくていいだろ何もなくて」
「まァな〜、でもその逆、アイツは3人とは違うって事だ」
 あろまは視力の欠点があるが、それ以上に体術や刀術に関しては群を抜いている。えおえおは言わずもがな、FBも今回の事で一般兵とは一線を画すという事が確定した。
 だが、今日に至るまできっくんにはそういった事は確認されていない。…僕としては、確認されない方が良いと思うけれど。
 強すぎる才は、恐れに通ずる。
 その才が、必ずしも自分にとって良いとは限らない。
「きっくん、強くないわけじゃないけど…追い詰められないと実力が発揮できないのがね…」
 苦笑交じりにP*sukeが言う。F91は大きな口を開けて笑った。
「確かになァ〜! おれも近い所あっからあんま言えねーけど」
「本当F91だめね」
「ハッハッハ、手厳し〜!」
「言ってる場合じゃないだろうに…」
 P*sukeと僕は揃ってため息を吐くが、F91は特に意に介した様子もなくケラケラと笑う。
(まあ昔からそうだし…)
「ジュード先生」
 唐突に遠くから別班の教諭に名前を呼ばれ、僕は立ち上がる。
「…はい?」
「班の方が来られていますよ」
「分かりました、すぐ行きます」
 誰だろう。可能性としてはあろまかえおえおって所か? FBときっくんとはさっき分かれたし。
 指示された入り口へ向かうと、「あ」と快活な声が上がった。
「ジュード…先生」
「…きっくん? …どうしたの…」
「さっきの今でごめんなさい。…色々考えてたけど、やっぱり早めにしておこうと思って」
「……とりあえず、入る?」
「そうする!」
 僕は職員室の自分の席まで移動し、椅子に腰掛ける。きっくんはP*sukeがコーヒーを淹れに行くと言ってスツールをあけてくれたので、そちらに座った。
「でェ〜、悩める青年きくおクンはどーしちゃったのかな?」
「普通に聞け普通に。…なにか相談事?」
「……うん。あのね、ジュード。俺も色々考えたんだけど、……異動したいんだ」

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長閑(プロフ) - 代口さん» 初めまして、コメントありがとうございます!当作品を読んでいただきありがとうございます。楽しんでいただけて嬉しいです!趣味詰め詰め小説ですが今後もゆっくり更新していきます。よろしくお願いします〜! (2022年8月9日 1時) (レス) id: 4a86d0b1da (このIDを非表示/違反報告)
代口 - 初めまして、コメント失礼します。話に引き込まれて最後まで読んでしまいました、とても素敵な作品と出会えて良かったです。今後の更新も楽しみにしています。 (2022年8月5日 6時) (レス) id: fb96c304db (このIDを非表示/違反報告)
長閑(プロフ) - 陵さん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけて嬉しいです!お話は短編の方にその後の話としてあげようと考えていますのでしばしお待ち下さい!読んでくださりありがとうございました!ゆっくりですが今後も更新していきます。よろしくお願いしますー! (2022年5月3日 1時) (レス) id: 4a86d0b1da (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - コメント失礼します!完結おめでとうございます!!とても素敵な作品に出会えて幸せです、、!5人のお話や脳筋ぶち破り話(?)も楽しみにしています!! (2022年5月2日 2時) (レス) @page50 id: ef30949f28 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:長閑 | 作成日時:2020年1月26日 3時

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