オールウェイズ・ビリーヴ・イット ページ19
(俺ってそんなに警戒されやすいかね〜)
きっくんと二人きりになった執務室で、俺はそう1人ごちた。ソファにだらりと座り込んでため息を吐けば、床で伏せていたマークが当然だと言いたげに鼻を鳴らす。
「マークのいけずー。…なーきっくーん、俺そんなに警戒されやすい?」
「信頼されにくい? って聞かない当たりそうなんじゃなーい?」
にやり、と俺に笑いかけてくるきっくんに、それと同じくらい爽やかに笑みを浮かべてみせた。
「うぇーい、きっくんのドヤ顔かなり久々に見たわー、むかつくっ☆」
「むかつくって何よw」
「だってむかつくんだもんw」
けらけらと盛大な笑いをこぼすきっくんは特に先程の3人を気にかけた様子はない。
「……ねぇきっくん、俺の事まだ信頼してくれてる?」
口をついて出た言葉だった。
俺の言葉にきっくんはやや眼を瞠り、それでいてしっかりと頷いてくれる。
「当然でしょ。そんなこと聞かれるとか心外だわ〜」
「ごめんて。…俺、細かいところ全部ぶっ飛んじゃったからさー、きれ〜サッパリ覚えてないのよな。ただ、“きっくん”だけは“信じなきゃだめだ”って思いましてなぁ」
「…俺はアルが生きて帰ってきてくれて、そう思ってくれるだけで十分」
床で伏せていたマークがカシャ、と小さな爪音をたてた。俺は少し唇を尖らせ腕を組む。
(…やっぱ、“きっくん”は信じるべきか…)
俺に必要なものは、連合軍にはない。きっくんは“俺に欠けたもの”を持っている気がする。
それは感情とか、記憶とかそんなのじゃなくて、なんか、もっと強い…
「…アル、考え事?」
きっくんの言葉に、ハッとして視線を向ける。お見通しだ、と言わんばかりの目線に、俺はバツが悪くなって頭を掻いた。
「…ごめんちゃい。いやーうっかりあっさり」
「ま、いーんだけどさ! そだ、アル、暇できたら、一緒に昔遊んだ所行こ!」
「お、良いねー! 廃虚…とか? きっくん埃まみれになった…っけ? かなり怒られたような」
「そーそ! 俺埃まみれになって、アルめっちゃ怒られてた!」
「確かきっくんがスライディングしたんでしょ? 俺超理不尽だったわw」
けらけらと笑いながら言うきっくんに軽く笑いながらそう返せば、きっくんはニカッと笑った。
ストラテジー・オブ・ザ・エネミー→←ヒー・ハイド・ア・ミーニング ※FB
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長閑(プロフ) - 悠莉@菜種油さん» ありがとうございます!楽しんで書いた小説を同じように楽しんで読んでもらえて嬉しいです(*´∀`)やや更新が遅れがちになっていますが、少しずつ更新させて頂きますので、よろしくお願いします〜 (2016年12月8日 22時) (レス) id: 323e0f8fe4 (このIDを非表示/違反報告)
悠莉@菜種油(プロフ) - 久しぶり(?)の新作に大興奮です!!過去作全てがドストライクで今回もドストライクっっ。最高です!!これからもよろしくお願いします(`・ω・´)ゞビシッ!! (2016年12月4日 9時) (レス) id: c4ac4be369 (このIDを非表示/違反報告)
長閑(プロフ) - ささはらさん» ありがとうございます!設定からもう趣味丸出しなので少しドキドキしながらの更新でしたが、楽しんでもらえて嬉しいです(*‘ω‘ *)更新頑張ります。気長にお付き合いください〜 (2016年11月14日 23時) (レス) id: 83e5a293f5 (このIDを非表示/違反報告)
ささはら(プロフ) - 更新お疲れ様です!設定と主君のキャラがドストライクでにやにやしながら読ませて頂いております。次の更新も頑張って下さい(*´-`) (2016年11月14日 20時) (レス) id: ca191c4974 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:長閑 | 作成日時:2016年11月9日 22時