＃２５６ 別れ２ ページ33
Aside
和「Aは本当に変わらないねー(笑)身長もしぐさも笑い方も…でも変わった。それは今こうやって笑えてること。最初に来たときなんか張り付けたような笑顔で心配だった。でも今、心から笑えてるんだなってすぐにわかるよ。Aが頑張って治療に向き合ってくれたから。…もうここには戻ってこないでください。」
胸がチクリと痛んだ。
和「患者として来たらぶっ飛ばしますからね(笑)」
そういうことか…でも患者としては戻らないって決めたよ。
和「ありがとう、A。」
真っ直ぐ和先生の顔を見れば大きくてくりくりした瞳が潤んでいた。和先生は私の頭をくしゃくしゃと撫でて耳元でそっとささやいた。
和「翔さんに、ハグしてあげて。あの人ヘタレだから自分からじゃできないの(笑)」
そしてその翔先生は冷静を保とうと必死でおかしくて笑ってしまった。
翔「笑わないでよっ！」
A「ごめんごめん。いいよ(笑)」
翔先生は深呼吸をして真剣なまなざしで私を見た。
翔「Aが初めてここに来た時に正直不安だったんだ。ちゃんと心を開いてくれるかなとかよくなるかなって。でもAと関わるようになって本当のAが見えてきてこんなに明るくて気さくでかわいい子だったんだなって思った。確かにAはすぐいなくなるし目離せば何かしらやってるし(笑)だからこれからその日常がなくなるんだと思うとやっぱり寂しい。…だから」
言葉が途切れて翔先生の顔を見れば大粒の涙をこぼしていた。
A「翔先生…泣かないでよっ…私も泣かないって、決めてるんだからさっ…だからっ…」
そういいながらもぽろぽろと私の目から涙がこぼれてゆく。
翔「お前も泣いてんじゃん…この前も言ったけど、お前には俺らがいる。もう一人じゃないんだ。だからもしあの時のお前と同じ立場の人がいたらお前が手を差し伸べてやれ。」
私は はいっ！ と返事をした。
そして私は腕を大きく広げた。あの時先生たちが私にしてくれたように…
翔先生は照れながらもぎゅっとしてくれた。
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みかん(プロフ) - 翔君カッコいい！こんな病院行きたい！ (2018年7月21日 16時) (
レス) id: cf352e0ebb (このIDを非表示/違反報告)
紅(プロフ) - 涙が止まりませんでした。もうこれならリスカしてもいいという気に← (2016年1月31日 14時) (レス) id: 9a625c9ccb (このIDを非表示/違反報告)
あいちゃん(プロフ) - 凄く感動しました…私も精神保健福祉士を目指しているので…もっと頑張ろうと思えました… (2016年1月30日 23時) (レス) id: 0f8a699733 (このIDを非表示/違反報告)
姫空嵐(プロフ) - 凄く最後まで感動しました。少し寂しいですが、素敵な作品を読めて嬉しかったです(*´ω｀*) (2016年1月30日 1時) (レス) id: ed568b0b81 (このIDを非表示/違反報告)
リナポ - 完結おめでとうございます！！でも終わっちゃうのはちょっと寂しいです…(笑) (2016年1月29日 16時) (レス) id: 365dd87b20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼沙仁真 | 作成日時：2015年10月6日 15時
