【文スト】不気味な美術館に迷い込んだ双黒 Second【ib】

四十三枚目 ページ10

中也Side

部屋を出ると 向こう側の道を青色の服の女が這っているのが見えた。

ギ「こっちには 気が付いてないわね…」

太「……」

イ「…よかった」

太「……」

中「ん？ なんか… 下の道に落ちてんな… カギ か？」

ギ「あの周りウロウロしてる緑のが落としたのかしら…」

イ 「誘き寄せたら取れる… かな」

太「……」

中「…一人の方がいいか… 少し行ってくる」

ギ「大丈夫なの？ …気を付けてね」

中「おう ありがとうな」

ギャリーに返事をすると早足で緑の服の女に近づき カギと反対側に誘き寄せる。

中「うおっ なんか此奴他の奴より速くねぇかっ？」

追いつかれてはまずい為 走ってカギを取ると 急いで元の場所へ戻る。

太「……」

イ「だ 大丈夫…？」

中「なんとかな… カギは取れたぜ」

ギ「コレは… 最初に入ったとこの近くの開かなかったドアのかしら？」

中 「多分な 行ってみるか」

最初の方のドアへ向かう。

中(確か 2つ位あったな… というか 先刻から太宰なにずっと考えてんだ？)

中「おいだz」

太「中也」

中「…な なんだよ」

中(てか 考えてて突然話し始めるのは相変わらずだな…)

太「先刻から 見てて思ったのだけれど 増えてるよね コレ」

太宰が小声で言ってくる。それに俺も小声で返した。

中「嗚呼… 最初はアノ赤い服の女だけだったんだがな…」

太「だよねぇ いやね？ 気になっていたのだよ ナニカが割れる音」

中「アノ絵の女達が出てくる音ってことか？」

太「多分 ね」

中「少し 急いだ方が良いかもな…」

そうこう話している内に ドアの前についていた。

元いた場所からすぐ側だった方のドアだ。
カギをさして回す。

カチッ

中「お 空いたな」

イ「コッチのドアのカギだったんだね」

ギ「それじゃ 入ってみましょうか」

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