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中務「俺、そんな優しい?」
『...はい。とっても。』
『私が悲しくて落ち込んでる時も、寂しい気持ちでいっぱいの時も。』
『いつも、寄り添ってくれるから。』
人は思った以上に脆くて儚い。
私がここまで崩れずにいられたのは、中務さんのおかげだ。
優しい声、暖かい笑顔。包み込んでくれるような言葉。
私が崩れそうな時に中務さんがそばにいた。
中務「そんなことないやん。」
中務「ここまで頑張ってこられたのはAが一途で、気持ちが強いから。」
春に近づいてきた証拠である、冬より少し温かい風が頬を撫でて、中務さんの赤い髪を揺らした。
家はもう、すぐそこで。いつも決まって別れる場所まであっという間だった。
中務「...だから少しも優しくなんかないで。」
『そんな、』
中務「ただ、弱みに付け込んでるだけ。」
ふわっと微笑んで、中務さんは私へと歩み寄る。
また、頭を撫でてくれるのかな。
中務さんの落ち着く手を待って、見上げる。
でも、その手が添えられたのは私の頬だった。
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ちょりこ(プロフ) - なかなか龍友の話が見当たらなくてのこのお話はとても面白かったです! (2020年2月25日 8時) (レス) id: 5d7662bc4f (このIDを非表示/違反報告)
る - すごく好きでした! (2019年3月26日 10時) (レス) id: 00700fe21d (このIDを非表示/違反報告)
心音(プロフ) - 全て読ませていただきました! とても良いお話でした!! (2019年3月25日 1時) (レス) id: f04cf3a636 (このIDを非表示/違反報告)
釈迦で~す推し。 - お久しぶりです。 もう、涙が止まりませんでした。 とにかく裕太君が優しすぎて、龍友くんが切なすぎて… 色々言いたいことはありますが、こんなにも最高の作品を書いてくださりありがとうございました! (2019年3月17日 1時) (レス) id: ec1ebb61a0 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんあや(プロフ) - 最っ高によかったです!forYou…も大好きな曲だし龍友くんも大好きだし、なにより裕太くんの優しさに持っていかれそうになりました笑 (2019年3月12日 23時) (レス) id: 9e0d1bf52d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵子 | 作成日時:2019年2月23日 21時