88 ページ8
.
『これ、運んでおきますね』
「ありがとうっ。お願いするね!」
『はーい』
スタッフさんに一声かけて段ボールを抱え、資料室に向かう。
向かってる間も、頭の中は仕事じゃなくて龍友さんのことばっかり。
龍友さんのことを想わない日はないから。
笑顔が恋しいなあ。
篠田さんとはどうなんだろう。仲良くしてるのかな。
篠田さんのことを考えるときは、胸が痛い。
でも篠田さんのことを考える龍友さんを見ている時が、1番胸が痛くて、苦しい。
いい加減諦めろ、とは簡単に自分に言えなかった。
中務「手伝う?」
『あ、中務さん、』
大丈夫です、と不審がられないように笑って言うと結局黙って段ボールを取られた。
取り返そうにも"力仕事は男に任せてええんやで"と、返してもらえない。
私はマネージャー補佐ですから...と言おうと思ったが、中務さんの優しさの前では通じないだろう。
中務さんを気にかけながらも隣をひっそり歩く。
『中務さん、資料室こっちです。』
中務「はいよ、」
中務さんのおかげであっという間に資料室だ。
ドアの端の壁に寄せて置いてもらい、ぺこりと礼をする。
『助かりました...。ありがとうございますっ』
中務「全然。俺が無理矢理手伝わせてもらっただけやし。」
『飲み物でもよかったら奢らせてくださ、っ!』
中務「っぶな、」
.
1567人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちょりこ(プロフ) - なかなか龍友の話が見当たらなくてのこのお話はとても面白かったです! (2020年2月25日 8時) (レス) id: 5d7662bc4f (このIDを非表示/違反報告)
る - すごく好きでした! (2019年3月26日 10時) (レス) id: 00700fe21d (このIDを非表示/違反報告)
心音(プロフ) - 全て読ませていただきました! とても良いお話でした!! (2019年3月25日 1時) (レス) id: f04cf3a636 (このIDを非表示/違反報告)
釈迦で~す推し。 - お久しぶりです。 もう、涙が止まりませんでした。 とにかく裕太君が優しすぎて、龍友くんが切なすぎて… 色々言いたいことはありますが、こんなにも最高の作品を書いてくださりありがとうございました! (2019年3月17日 1時) (レス) id: ec1ebb61a0 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんあや(プロフ) - 最っ高によかったです!forYou…も大好きな曲だし龍友くんも大好きだし、なにより裕太くんの優しさに持っていかれそうになりました笑 (2019年3月12日 23時) (レス) id: 9e0d1bf52d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:葵子 | 作成日時:2019年2月23日 21時