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『っ中務、さん...?』




黙ったまま、ただこっちをじっと見つめるだけ。

熱っぽい瞳で、ずっと。


退けることもできず見つめ合う私達は、その沈黙に溶け込んだ。


肘をついている態勢がだんだんきつくなってきて退けようとする。

するとそのまま腰に腕が回されて引き寄せられた。



『っわ、』

「...行かんといて」

『う、移りますっ!』

「今更やろ。もし移ってたら俺が看病したるから、」



ベッドの壁際に寝かされ、抱き枕みたいにぎゅっと抱きつかれる。

胸板...胸板近いっ。


恥ずかしさに顔を上げて中務さんを見た。

自然と目が合って、するりと細い指先が私のマスクにかかる。


そのまま下げられたマスクは顎にかけられた。



「...あかんなぁ。」

『っえ...なにが、ですか。』

「こっちの話。」



滑るように頬へと当てられる手。

熱を持っている温かいその手に、安心してる自分がいる。


きっと風邪だから、熱があるから。

寂しくて甘えたくなるだけなんだ。


言い聞かせるように唇をぎゅっと噛み締める。




その時感じた寂しさに、理由がないことを祈ろう。


(( ダメだよ、この人に恋しちゃ。))

誰かにそう言われた気がした。




そんなことを無視して、2人で夢の中へ落ちるんだ。

瞼が閉じる前に見えたのは貴方の笑顔だった気がした。







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- 心にストンと落ちてくる葵子さんのお話にいっつも助けられてます。更新大変かと思いますが頑張ってください!応援してます! (2018年8月17日 1時) (レス) id: db0c6e08f6 (このIDを非表示/違反報告)
さちまる◎ - とてもおもしろかったです!佐野くんのお話も見てみたいです。これからもがんばってください!更新楽しみにしてます!! (2018年3月30日 18時) (レス) id: ed9abe364f (このIDを非表示/違反報告)
葵子(プロフ) - 莉愛さん» わあああ!!めっちゃ嬉しいです...!(;Д;)(;Д;)ありがとうございますっ!!本当に励みになります! (2018年3月27日 23時) (レス) id: 6b76cfea77 (このIDを非表示/違反報告)
莉愛 - 言い忘れてました(汗)初めまして!更新頑張って下さい! (2018年3月27日 22時) (レス) id: 936ea7fe0b (このIDを非表示/違反報告)
莉愛 - 私、この作品大好きになりました!これからも葵子さんの素晴らしい作品を期待しています!頑張って下さい! (2018年3月27日 22時) (レス) id: 936ea7fe0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:葵子 | 作成日時:2018年3月9日 17時

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