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_Ryuto side_








事務所に行く途中の道にあるカフェに見事にハマっている僕は、今日も昨日と同じようにそこへ足を運んだ。

今日は確か、って頭の中でスケジュール確認して時計で今の時間も確認して。
割と計画的やから、僕。


注文した珈琲が渡されるまでの待ち時間にあたりをチラチラ見回してみる。

女の人がやっぱり多い。まあ、ここおしゃれやしね。


...優に教えて一緒に来たことがある、思い出のあるカフェだ。

なんだか、そんなに昔のことでもないのに懐かしく思える。



「お待たせしました。」

「どうもー、」



手が火傷しないように服の袖を伸ばしてから珈琲を受け取る。

あー、温まるわ。

猫舌だからそんなに熱いのも得意じゃない。
冷めるまでカイロ替わりに持っとこ。そう思って冷たい風の吹く店の外へと出た。

少し歩くと、前を歩く女の人が着ている上着に見覚えがあってよく目を凝らす。



「あ、」


ああ、見なきゃよかった。なんて今更気づいても遅い。

僕の前を歩いていたのは優、とその彼氏。



思わず元来た道を通ってさっきのカフェへ。
持っていた珈琲をテーブルに置き、溜息を吐く。

なーんか、ついてへんなあ。
さっきの光景が頭から離れない。


裕太くんに"少し遅れる"と連絡を入れ、ぼーっとただ空中を眺めるだけの時間をカフェで過ごした。

僕が彼女の隣にいられたら、なんて夢を見てみる。


いっそ、僕のことを好いてくれている人のことを好きになれたらいいのに。

忘れる努力も、他の人を好きになる努力もすれば優のことを忘れられるんだろうか。


今日はAをデートに誘おう。
きっと真っ赤になって喜ぶだろうなあ、なんてAの顔を思い浮かべる。

スケジュールにひとつ、デートという予定を追加して、僕は再び店を出た。









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みん(プロフ) - 素晴らしい文章力で、引き込まれます!ありがとうございます! (2019年5月20日 9時) (レス) id: f912ed750b (このIDを非表示/違反報告)
ARM26(プロフ) - すごく好きです…!こんなに引き込まれて一気に読んだのは初めてです!これから続編読むのですが楽しみ半分、終わりに近づいてる寂しさ半分…終わりまで楽しませていただきます! (2019年1月18日 21時) (レス) id: 6024ec169a (このIDを非表示/違反報告)
GENE love - 葵子さん» 賞味期限2も読ませてもらいました! ほんまに泣きました。 ほんまに体験してるみたいな気分になって切なくなって感動です! 頑張ってください! (2019年1月13日 20時) (レス) id: 1e4df9a365 (このIDを非表示/違反報告)
釈迦で~す推し。(プロフ) - 愛故にを読んでるとき号泣してたので、ハンカチ用意しときます。真顔 (2019年1月13日 14時) (レス) id: 52e976e0eb (このIDを非表示/違反報告)
葵子(プロフ) - 釈迦で~す推し。さん» これからもっと切なく......(;Д;)(;Д;)← (2019年1月13日 14時) (レス) id: 6b76cfea77 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:葵子 | 作成日時:2018年11月25日 18時

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