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あれ、違ったかな...と1人でテンパっていると勢いよく顔を上げてりんごジュースを受け取ってくれる。
中務「ん、ありがと。」
『りんごジュース、嫌いでしたか...?』
中務「ちゃうちゃう。覚えててくれて嬉しかっただけ、」
少し照れくさそうな中務さんが可愛らしくてほっこりする。
『中務さんとりんごジュースって可愛いなあって思ったの、鮮明に覚えてますよ。』
中務「...恥ずかしいからやめて」
中務「......Aはそれ飲むん?」
視線を外した中務さんは、私の袋を指さして言った。
珈琲が、まだ残っている。
『...飲みます。』
中務「珈琲苦手じゃなかったっけ?」
『......よく覚えてますね、』
中務「隼に力説されてたよなあって。思い出してん。」
『あれはもう1種のトラウマです...』
中務「あの時のAの顔、目死んでたで」
あの時の小森くんったら本当に鬼の形相だったんだから...。
いつかありとあらゆるカフェに連れ回されるんじゃないかって、恐ろしく思う。
『飲めるように、なったんで...』
中務「...ふーん。そんなAの成果が見たいなあ?」
『ま、任せてくださいよー!』
意地悪な顔をする中務さんに言われるがまま、私は缶珈琲を開けて口をつけた。
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みん(プロフ) - 素晴らしい文章力で、引き込まれます!ありがとうございます! (2019年5月20日 9時) (レス) id: f912ed750b (このIDを非表示/違反報告)
ARM26(プロフ) - すごく好きです…!こんなに引き込まれて一気に読んだのは初めてです!これから続編読むのですが楽しみ半分、終わりに近づいてる寂しさ半分…終わりまで楽しませていただきます! (2019年1月18日 21時) (レス) id: 6024ec169a (このIDを非表示/違反報告)
GENE love - 葵子さん» 賞味期限2も読ませてもらいました! ほんまに泣きました。 ほんまに体験してるみたいな気分になって切なくなって感動です! 頑張ってください! (2019年1月13日 20時) (レス) id: 1e4df9a365 (このIDを非表示/違反報告)
釈迦で~す推し。(プロフ) - 愛故にを読んでるとき号泣してたので、ハンカチ用意しときます。真顔 (2019年1月13日 14時) (レス) id: 52e976e0eb (このIDを非表示/違反報告)
葵子(プロフ) - 釈迦で~す推し。さん» これからもっと切なく......(;Д;)(;Д;)← (2019年1月13日 14時) (レス) id: 6b76cfea77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵子 | 作成日時:2018年11月25日 18時