ガンマンと子狐 (ページ2)

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第一月果てしない闇ページ2

窓が無い部屋｡
人間は普通､そういう部屋に閉じ込められて一週間立つと気が狂うそうだ｡

外との唯一の接点である光を遮断したら､孤立感が増幅するからであろうか?

でも､彼女にはそういう事はどうでも良かった｡

生まれてこの方孤独であったし､第一に人間では無い｡

でも､最近になってこの質素な部屋に､孤独の哀しさが影をちらつかせるようになった｡

「外は､どんな所なんだろう...?」

彼女は一生縁がないと思える外の世界のことを想像するのが最近の日課になっていた｡

美しい花が咲き乱れる丘｡

寂しく佇む月が美しく輝かせる大海原｡

人という人が行き交い､生命の鼓動が聴こえてきそうな都会の道｡

予知能力で何回もそおいう光景見てきたが､その場の匂い､音､感覚は彼女は一生体験できない｡

そう思って悲嘆にくれていたのはざっと数分前｡

今は驚きと疑心暗鬼でいっぱいだった｡

「...ッツ！？」

ことの発端は数十分前｡

いつもの様にベットから起き出したAは､用意されていた巫女の服に着替え精神統一をしていた｡

彼女､Aは神の使いと名高い妖狐族の神娘家の娘だ｡

父親は普通の人間で､母親と所詮禁断の愛というもので駆け落ちし､駆け落ち先で生まれたのが彼女であった｡

5歳までは順風満杯に暮らしていた｡
5歳までは....

建設業を生業としていた父が不慮の自己でｼ,ﾎﾞｳ｡あとを追うように母親も.....｡

当初自､さつと見られていたがそれには裏があり､母が神娘家の出身でしかも娘が一族でも一二を争うほどの予言能力の保持者､ということを聞きつけたとあるブラックカンパニーが父親と母親を事故､自,サツと見せかけさつ"害｡

そしてまんまと娘を引き取り悪事に利用と､映画でよくある流れのような悲しい人生を送ってきた｡

物心ついた時にはもうこの生活だった｡

母親と父親との記憶すらもう全くと言っていいほど持っていなかった｡

ひとしきり精神統一をし終えたところで､ふと違和感を感じた｡

(外が少し騒がしいな.....)

絶対隔離部屋なのだが､彼女は妖狐族の娘なので外の雰囲気は気を鋭くしなくてもわかった｡

(まあ､私には関係ないか......)

(所詮悪事に利用される道具だもの...｡)

そう思う彼女の目には光は無く闇を含めていた｡