【黒バス】600円(税別)で買える君【黛千尋】 (ページ14)

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着替え終えて体育館に行くと
(人1)は監督と話しているようだった。

一瞬だけ横目に見て俺はすぐに練習を開始する。

「おはよう。何だか今日は賑やかみたいだね。
…彼女は君が連れてきたと聞いたよ。
もしかして千尋の恋人だったりするのかな?」

なんでさも当たり前に俺を認識して
挨拶とかしてきてんですかねこの主将は。

正直、ドン引かれるだろうから言わないでおきたいが

……そうだな、赤司なら良いか。

からかってきたりするような奴ではないし
他の奴らにバレそうになったりしたら
助け舟をくれるかもしれない。

何より言おうが言わまいが見透かしてくるだろうし。

「恋人の日もあれば、そうじゃない時もある」

「?…どういう意味かな?」

「アイツが俺にラノベを一冊買う。
そしたら俺は一日アイツの彼氏。
言っとくがこの提案をしたのはアイツだからな」

「…なるほど。それで今日は前者である、と」

そして一度考えるような仕草をした後で「口出しはしないけれど、何も無いといいね」と意味ありげな事を言って俺から離れていった。

…何も無ければってなんだよ、何もねーよ。

これはあくまで、利害の一致で成り立っている関係なんだから。

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それから体育館内での走り込みを終えて
連続レイアップをしながらチラッと(人1)を見ると
見学を了承して貰えたようでベンチに座って当たり前のように俺を見ていた。

だからなんで当たり前のように見えて……

「千尋、今リングに当たったね。0.5歩踏切が前だったよ」

「チッ」

ただでさえ赤司に当たり前に見られてやがるって言うのに。
……失敗した。余計な事した。
見られるのが嫌いな癖に連れてきちまったのは間違いだった。

とにかく俺は気にしないようにして練習に集中する事した。