アイツの空 (ページ32)

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ショータは、
私のタイプ、どストライク過ぎるんだ。

と、今更、気付いた。

笑顔が好き過ぎる。

忘れようと思ってたはずなのに。

最近の私ときたら。

バカだよな・・・

昼休み、シンゴに、
ごうごう風が吹く屋上に呼びつけられた。

仕事のことかと思いきや。

「今日の夜、予定ある？
食事でも行かへんか」

また、誘われた。

「なんでこんなとこに呼び出すの。
寒いじゃん」

編集部で言うとか、
メールするとか、
やり方あるじゃん。

「みんなの目があるとこはやめろって、
お前が言うとったんやんけ」

ああ、給湯室事件ね。

この一週間で、
あっという間に雑誌をまたいで、
編集部じゅうに回ってしまった。

事実はともかく、
噂だけが一人歩き状態。

私はすっかり、シンゴのオンナってことに。

「だからって。
寒すぎ。
今、もう１１月だよ。
ごめん。
今日は予定あって。
それに返事するまで、
二人きりではどこにも行かない」

「二人きりでどっか行かな、
俺を男として意識でけへんやろ」

なんという理屈。

まあ、そう言われればそうな気もしてくる。

どこからか、
風に舞って、
落ち葉が飛んできて、
私の髪にくっついて、からまった。

最悪。

「取ったるわ」