青の微熱(1)

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side:Shinjiro







真「先生って...」







母「ここは病院よ...あんた祭りの最中に倒れたんやって？」







奥には椅子に座っている母さんがいた









母「ただでさえ変な噂流れとんのに...また目立ったやんか」



真「...ごめんな、母さん」









母のめんどくさそうな顔に
思わず下を向くと





腕にきらりと光るブレスレット









真「...先生に大丈夫って言っといて」



真「俺、出かけてくるわ!!」









走って病院を飛び出す









祭りの夜のことは夢なんかじゃない









『私とお揃い』








だけどAに会って何て言えばいい？
どんな表情をすればいい？









「大丈夫」「守れなくてごめん」「気にしてないよ」




違う、俺が伝えたいことは...






.







ﾋﾟﾘﾘﾘﾘ...







スマホが鳴って確認すると
京都からの友達からの着信









真「もしもし」



『久しぶりやな！そっちは暑いんか？』



真「毎日暑いで」



『京都はたまに涼しいで！てか息上がっとる？』



真「走っとった」



『何やそれ(笑)』



真「で、どうしたん？」









俺はもうAのところへ行きたくて
ソワソワしとるんやけど








『んー何かな』









『真司郎おらんとつまらんくてさ』



真「...何やそれ(笑)」



『うん...冬休みは遊び行きたいねんけど』



真「予定分かったら連絡するから」



『そやな！じゃあまたな』









通話を終えてまた走り出す









.









あれは夏休みの中盤の頃
家に帰るとただならぬ剣幕の母親




真『ただいま』



母『真司郎、話があんねん』



真『どしたん？』



母『あんな...母さんと父さん、離婚すんねん』



真『え...？』



母『一週間後、私の実家に引っ越すからな』







夏休み中の引越し



挨拶も出来なかったクラスメイト
あの日から会っていない父さん









そんな不安と不満だらけの毎日で
Aが不意に見せた笑顔は眩しかった









綺麗でどこか儚くて
そんな君に俺は一瞬で恋をしたんや








.

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