2日前に戻って ページ38
少しだけ気が緩んでたのかもしれない。
最近は自分の心が目まぐるしく変わっていって男の人が怖い気持ちも少しずつ和らいでいると思い始めていた。
だけどそれは私の大きな思い違いだった。
少しの気の緩みが自分のトラウマを呼び起こすことになるなんて。
会社から家に帰る為に駅のホームで電車を待つ。
残業をしていて遅い時間になり疲れていたから少しぼんやりしていた。
前まではこんな時間なかった。
いつも気を張ってて男の人が近くに来ると身体が強ばるしなるべく距離を取るようにしていた。
だけど相変わらず距離を取ることはあっても気を張りすぎることは少なくなっていた。
だから電車を待つ間仕事の疲れから少し気を抜いていた。
それが間違いだった。
「すみません。 ちょっといいですか?」
ぼんやりしていて気づかなかった。
大学生くらいの男の子がすぐ近くに立ってたことを。
瞬間的に少し距離を取って下を向く。
彼の持つ少し緊張した雰囲気に飲まれて足がすくむ。
逃げたいのに金縛りにあったみたいに動けない。
そして私が何も言わないことをYesと受け取ったのかその名前も分からない男の子は私に自分の気持ちをいきなり伝える。
「あの。 ずっと前から電車でお姉さんのこと見かけてて気になってて。
それでこの駅に居たの電車の中から見えて思わず降りちゃいました。」
久しぶりに知らない男の子に話し掛けられて怖くて彼の顔が見れない。
『早くこの場から逃げたい。』
数ヶ月前に同じ事を思ったことを今この状況で思い出す。
そして思い出すのは今ではとても大切な友達になった彼のこと。
同じ逃げたい気持ちなのに彼とこの子とでは全然違う。
そして当たり前だけど私の気持ちは目の前の男の子には伝わらずにその先を緊張しながらも口にする。
「あの。 好きなんです。
よかったら付き合ってくれませんか?」
心の準備もせずに伝えられた言葉に身体が怖くて震えてしまう。
だけどここで弱いところを見せない方がいいのは経験上分かってるから落ち着いて彼が諦めてくれるような返事をする。
「ごめんなさい。
私、彼氏がいて付き合ったり出来ないんです。」
彼氏なんて居たことないのに自分を守るための嘘をつく。
これでこの子とはもう何もないと思った。
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☆☆さお☆☆(プロフ) - naaさん» コメントありがとうございます。 自分の書いたお話しを楽しんでいただけていてまた更新を頑張ろうと思います。 言葉の使い方ですが二人の清い雰囲気を出す為自分でも気をつけている点なのでそのようなお言葉をいただけてとても嬉しいです。 (2018年2月15日 20時) (レス) id: 59a83aa7ad (このIDを非表示/違反報告)
naa(プロフ) - 凄い楽しくて何より言葉の使い方がとても綺麗なので読んでてて心地よくなります!これからもゆっくり頑張ってください!更新楽しみにしてます。 (2018年2月15日 14時) (レス) id: dce36abc3b (このIDを非表示/違反報告)
☆☆さお☆☆(プロフ) - 苺にゃん´`*さん» コメントありがとうございます。 とても嬉しくお話しを書く励みになります(>_<) お話の方も頑張って更新していきたいと思います。 (2018年2月14日 21時) (レス) id: 59a83aa7ad (このIDを非表示/違反報告)
苺にゃん´`*(プロフ) - すっごく面白いです! キュンキュンします! 更新楽しみにしてま~す! (2018年2月13日 23時) (レス) id: 9828435108 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:☆☆さお☆☆ | 作成日時:2018年2月11日 1時