君にロックオン！【青根高伸】 (ページ11)

今日:14 hit、昨日:7 hit、合計:91,736 hit

11.年下の男の子にページ11

.

やっとピザが届いた。
Ｌサイズ2枚も頼んじゃったよ…でも青根くんなら食べれるでしょ。
青根くんは無言で財布をあけ、千円札を差し出す。

｢いいよ、今まで助けてくれたお礼｣

私は押し返すと、彼はお札を引っ込めた。
無言でもくもくとピザを食べながら、青根くんは呟いた。

｢今度パフェでもご馳走するから｣

｢あはは、なんでパフェ？でもそんなの気にしなくてもいいよ｣

そう言うと青根くんは黙った。

｢気にする｣

律儀な子なんだな。

｢いいんだよ、大人には奢られておけば。
私も会社の先輩とかには奢ってもらうことあるし。
青根くんも就職したら、後輩に奢ってあげればいいんだから｣

｢違う。あんたにご馳走したいんだ。って言うか…｣

少し口ごもって、顔を真っ赤にした。

｢ただ、会う口実が欲しいだけなんだ｣
｢えっ……｣

大人ぶって、お姉さんぶって、余裕ぶっても
気になる人からのこんな言葉には私だって心が揺さぶられちゃう。

｢いらないよ…口実なんて｣

恥ずかしかったのか、青根くんは凄い速さでピザを口に運んだ。

｢私もまた会いたいから、口実なんていらないよ｣

青根くんは首を縦にぶんぶん振った。

｢でも今度は、電話かラインちょうだい｣

このまま始まってもいいんだろうか。
高校生だから。少しだけ罪悪感があるけど。
また彼に会いたいと思ってしまう。
ピザを食べて、テレビを見ながら談笑して。
21時くらいになったら彼は帰る、と言って立ち上がった。
私だって、そんなに恋愛経験があるわけじゃないけど…
社会人になって初めて。年下の男の子に恋をした。