39:少年 ページ45
「…え？」
銀時の言ったその言葉が信じられなかった。
「なっ…何言ってるの銀時、私は正真正銘の極悪人…殺されて当然の人間なんだよ！」
「いや、違ェよ。そもそも極悪人はそんな事言わねェし、お前は人斬りと言われるような事はしてねェだろ。」
緊張感のない顔と声で銀時はそう言った。その場にいた全員が豆鉄砲を食らったような鳩のような顔をしていた。
「オメェはただ守ってただけだろ、一人の男の子を」
なんでそんな事、銀時が知ってるんだろう…
「な、どういう事だ銀時！」
苦しそうな顔をしながら小太郎は問いかける。そうすると銀時は私の方を向いた。
「そいつはこいつの口から直接言った方がいいんじゃねェの？」
その場にいた全員の視線は銀時から私に移る。一人一人の顔を見て、私は口を開いた。
ーー
攘夷戦争が終わって数年。私はある場所に向かっている。地図を片手に荒野を歩く。曇り空の下ではたくさんの雑草が硬そうな土から生えている。
ただただ無心に歩いていると、後ろから何者かの気配があった。即座に振り向いて剣を構えると、一つの紙を持った怯えた表情の少年が立っていた。年は10歳くらいだろうか…その幼い姿と松陽に出会う前の自分が重なって、少し苦い思いをする。
体勢を崩し、その子の目線に合わせるようしゃがんだ。
「驚かしてしまってごめんなさい。どうしたの？一体こんな所で。」
見た感じ後ろから親が来るわけでもなく、少年は一人でここまで来たようだ。その少年は何があったのかわからないが、私が体勢を崩した今でも涙目でどこか怯えているようだった。
「…助けて」
「え、助けてってどういう…」
上を見上げると、いつ近づいて来たのかわからないが、剣？刀を構えた大男が立っていた。
それを見た私は即座に少年を後ろに引っ張り、男が降りかかった刀を自分の刀で抑えた。
「…おい嬢ちゃん、その坊主をこっちに寄こせ…」
「だッダメだ！」
後ろにいる少年は必死にそう言った。振り向くと、その怯えた表情は泣きそうな表情に変わっていた。
「お願いお姉ちゃん助けて！僕の…僕のお母さんはいずれあいつに殺される！」
…助けてなんて言われるのは初めてだった。また、守りたいなんて思ったのは、久しぶりだった。どうもこの少年に昔の私の姿を思い出させるのだ。
「…わかった。そのままそこにいて。」
この一言から私は"人斬り"へとなっていった。
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ほう(プロフ) - 枕崎のみやさん» コメントありがとうございます！小説を書くのも初心者なもので…うまくかけてるかわからなかったんですが、そう言っていただけて嬉しいです！更新頑張ります！ありがとうございます！ (2017年8月18日 8時) (
レス) id: 40101de4c2 (このIDを非表示/違反報告)
枕崎のみや(プロフ) - こんにちは。コメント失礼します。主人公ちゃんが可愛くて桂さんがいけめん。もう、癒されてしまいます。更新頑張って下さい、応援してます！！ (2017年8月17日 12時) (レス) id: 308a21cffc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほう | 作成日時：2017年8月10日 15時
