37:報われぬ最期 ページ43
脇腹に鉛を注がれたような痛み。その傷口や口からは血が溢れ出す。
こいつの手、触手のようなものに変わるという事は天人か…少なくとも人間ではないな。まさかこんなに大事になるとは…
男を睨み付けると、彼は何かを思いついたようにニヤリと笑った。
「前にお前を襲った時にこの完治した傷をつけた奴、お前を庇ったという事はお前の大切なヤツか家族とかだろう?」
「…それがどうかしたの?」
「お前が俺達の大切な人の命を奪ったのなら、俺達もお前の大切なヤツの息の根を止めてやるよ。お前を殺すよりその方がいい…」
それを聞いて全身に雷を打たれたような衝撃が襲った。
「お前…まさか小太郎を…」
「あいつ、多分あの攘夷浪士の桂小太郎だろ。…丁度いい。
気づいたら体が先に動いていた。あいつの鳩尾に思いっきり蹴りを入れようとした。だが、あいつの手が再び触手に変化し、足をとられその場に情けなく転んでしまった。
「…あんたみたいなクソヤローに小太郎の首が取れると思う?」
「…あ?」
「…聞こえなかったの?あんたみたいな雑魚でクソみたいなヤローが小太郎に傷一つつけられる事もできるわけないって言ったんだよ…」
そう言うと男の額には青筋が浮かんだ。…よし、そのままいけ。こいつが怒れば、理性を失い私を殺すだろう。そうすればこいつも小太郎を狙うのが難しくらるはずだ。復讐という目的も果たされる。
男は勢いよく私の顔を掴み、地面に押し付けて身動きが取れない状態になった。
「テメェェェェ!この俺をナメやがったな!クソヤローはオメェの方だ!ぶっ殺す!」
そういうとその男はどこからか拳銃を取り出し、その銃口を私の額に当てていた。こいつ意外と沸点が低いなと思いながら、予想通りの自体になってくれた事に安心する。
人殺しのまま死ぬよりも、小太郎を…大切な人を守れて死ねるならそれでいい。
そう思い覚悟を決め、目を閉じた。
「…そいつを放して貰おうか。」
そんな声が聞こえ、目を開けると、男の首元には刀が添えられていた。その刀を持つ本人は、紛れも無い、私の大切な人。小太郎だった。後ろのドアはいつの間にか開けられていて、銀時、新八くん、神楽ちゃんもいた。
それに気付いた男はどこか怯えたような表情をして、すぐに私から離れた。
そうすると、すぐに小太郎は私の方へ寄ってきた。
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ほう(プロフ) - 枕崎のみやさん» コメントありがとうございます!小説を書くのも初心者なもので…うまくかけてるかわからなかったんですが、そう言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります!ありがとうございます! (2017年8月18日 8時) (レス) id: 40101de4c2 (このIDを非表示/違反報告)
枕崎のみや(プロフ) - こんにちは。コメント失礼します。主人公ちゃんが可愛くて桂さんがいけめん。もう、癒されてしまいます。更新頑張って下さい、応援してます!! (2017年8月17日 12時) (レス) id: 308a21cffc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほう | 作成日時:2017年8月10日 15時