32:包帯 ページ38
「A、お前腹から血が出てるではないか!早く手当をしなければ」
「…大丈夫だから。これくらいなんとかなる。自分の手当くらいじぶ…」
喋ってる途中で血を吐いてしまい最後までいう事が出来なかった。足もガクガク震えて上手く立ち上がれない。
その様子を見た小太郎は、私の背中と脚に手を当て持ち上げた。世に言うお姫様抱っこというやつだ。
「…?何…やって…んの…」
「その傷だと動けないだろう。大人しくしてろ。」
大人しくしてろと言われても今の私には暴れることもできない。もちろん触れられて投げ飛ばすこともだ。小太郎に言われた通りその場で大人しく抱っこされていた。
不謹慎かもしれないが、なぜだかこの状況が少し嬉しく思えてしまった。
連れてこられたのは小太郎の家とみられる場所だったドアを開けると中にいたエリザベスさんが寄ってきた。私を見て驚いたのかあたふたしていた。
「済まないがエリザベス布団を敷いてもらえぬか?この通りAの手当てをしなければいけない。」
「…だか…ら…手当ぐ…らい自分…で…でき…るって…言っ…たでしょ…」
『わかりました桂さん!今すぐ準備します!』
そう書かれたプラカードを投げ捨て、エリザベスさんは物凄いスピードで部屋の奥へと行った。
「…もしかしてお前が戦っていたのは例の人斬りか?」
小太郎は私を運びながらそう質問する。
「…わからない。話しかけられてすぐに刀で襲われたから…」
その時にできた肩の傷が今でも痛む。相当深くやられたのだろう。
手当の準備ができたらしく、エリザベスさんがこっちにくる。それを見て小太郎は私を優しく布団の上へ寝かせた。
「よく見たらお前腹以外にも傷があるな。」
「運んでて気付かなかったの?」
布団の横には救急箱が見えた。小太郎がここまで運んでくれたため、起き上がれる程度には回復していた。
「…ほら、手当するから部屋出てくれない?」
「…?だから俺が手当てすると言ってるだろう。」
「…いくら幼馴染の前でも服は脱ぎたくないんですが」
その言葉の意味がわからなかったのか小太郎が首を傾げていた。数秒考えてやっとわかったのか、汗をかいてそそくさと出て行った。
「…しかし、ここまでの怪我は戦争中にもなかったな…そうなると相手はかなりの強敵か…」
着物をはだけさせ腹に包帯を巻いている時に頭に浮かんだのはあの時のことだった
私を探しているって…どういうことなんだろう。
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ほう(プロフ) - 枕崎のみやさん» コメントありがとうございます!小説を書くのも初心者なもので…うまくかけてるかわからなかったんですが、そう言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります!ありがとうございます! (2017年8月18日 8時) (レス) id: 40101de4c2 (このIDを非表示/違反報告)
枕崎のみや(プロフ) - こんにちは。コメント失礼します。主人公ちゃんが可愛くて桂さんがいけめん。もう、癒されてしまいます。更新頑張って下さい、応援してます!! (2017年8月17日 12時) (レス) id: 308a21cffc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほう | 作成日時:2017年8月10日 15時