29:人斬り ページ35
「人斬り?」
小太郎の口から出たその言葉を、思わず復唱する。
「ああ。今人斬りが出ているという噂でな、お前ももし夜に出歩くことがあるのならば気をつけた方がいいぞ。」
空も暗くなり始める時間帯。暇で街を散歩してたらたまたま会った小太郎と少し喋り、今に至る。
「そんな…私だって昔は戦争に参加したんだよ。人斬りなんかには負けないよ。」
「A、そういう発言はふらぐらしいぞ。」
「大丈夫。私フラグはへし折るタイプの人だから。」
そう言って家へ向かうが、特に何事もなく無事に着いた。
…人斬りか。確か五年くらい前もそんな噂流れてたりしたな。その時はまだ私も帯刀してた頃だ。今はもう刀は押入れの奥にしまってあるけど。まぁうだうだ考えてもどうにかなるわけじゃないし、多分私には関係のないことだ。さっさと寝よう。
そう思い、布団を敷いてその上に寝っ転がると、自分でもびっくりするぐらい早く眠気が来て、私はすぐ深い眠りへと落ちた。
「あァ、人斬りだァ?」
「うん。銀時何か知ってる?」
翌日、結局朝起きても人斬りの事が気になって仕方がなかった。この街では顔の広い銀時なら何か知ってると思い、すぐに万事屋へ向かった。
「ああ、僕知ってますよ。なんか、女性だけ狙う人斬りが出ているだとか噂されてますけど…Aさん何かあったんですか?」
そう言ったのは新八くんで、私がいきなり人斬りの事を聞いてきたのが不思議だったようで心配された。
「いや、なんでもないの。ただちょっと耳に入ってね。」
それにしても女性だけ狙う人斬りか…物騒だな。歌舞伎町はあまり治安がいいともいえないけど、流石に人斬りとなっては大騒ぎだ。
「あ、そういえば…」
銀時が鼻をほじりながらだるそうな声を出した。
「お前前にひと…」
「銀時!」
銀時が言おうとした事を大声で遮った。これから聞こえる事に嫌な予感しかしなかった。ブルブルと震える私を見て、彼は察したのだろうか窓の方向を向いた。
「…ごめん。でもこの事はなるべく銀時以外には知られたくないの。」
お邪魔しましたと一言残して、私は万事屋を出た。
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ほう(プロフ) - 枕崎のみやさん» コメントありがとうございます!小説を書くのも初心者なもので…うまくかけてるかわからなかったんですが、そう言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります!ありがとうございます! (2017年8月18日 8時) (レス) id: 40101de4c2 (このIDを非表示/違反報告)
枕崎のみや(プロフ) - こんにちは。コメント失礼します。主人公ちゃんが可愛くて桂さんがいけめん。もう、癒されてしまいます。更新頑張って下さい、応援してます!! (2017年8月17日 12時) (レス) id: 308a21cffc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほう | 作成日時:2017年8月10日 15時