13:やっと ページ17
何かやってくるのかと思ったが、あいつは何もやってこなかった。
(まあなんかしたらすぐに対抗するけど)
濡れるのを気にせず走っていると今度は真正面から何かにぶつかってしまった。
まずい、小太郎に言われた通り注意力が足りなくなってるのかもしれない。
「ん、お前そんなに急いで。何かあったのか?」
上から突然、探しているはずの声を聞き、顔を上げると
小太郎が居た。
「おいどうした、びしょ濡れじゃないか。傘をさしてる意味が…」
そんな小太郎の言葉も無視し、傘を投げ出して私は小太郎を抱きしめた。
「よかった…無事で居てくれた…よかった…!」
安心して彼の胸元に顔を埋めた。すると小太郎は私の頭を優しく撫でた。
まるで村塾にいた時、泣いている私の頭を撫でてくれたみたいに。
「…しかしお前、俺に触れても平気になったのか?」
その小太郎の言葉で我に帰った。
見上げると、小太郎はすこし頰を赤らめ、少し嬉しそうにしていた。
「あ、あうぁ…!」
なんとか投げ飛ばすのは回避したが、物凄い勢いで後ずさり、止まろうと思ったが勢い余って尻もちをついてしまった。
「おいどうした。顔が真っ赤だぞ。熱があるんじゃないか?」
そうやって小太郎は私の手を掴んで起こそうとしたけど、私はいいと言って自力で起き上がろうとした。
しかし手と足に力が入らず、横に倒れてしまった。
…なんで力が入らないの?
そう思った瞬間、視界が歪んだ。頭もボーッとする。
もしかしてこの大雨の中、濡れながら走り回ったから風邪を引いたのか?
小太郎が必死にこっちへ駆け寄ったのが見えた。
「おいA!大丈夫か!?…すごい熱だ。早くなんとかせねば!」
身動きが取れない私をお姫様抱っこし、彼も濡れてしまうのを気にせず走っていった。
意識が朦朧としてる中、見えてるのは必死に走る小太郎の顔だった。
その顔がいつもの顔と違いとてもかっこよかったので、不覚にもときめいてしまった。
…いや、相手は小太郎だ何をときめいてるんだ自分。
…だんだん視界が暗くなってきた。流石に限界みたい
そのまま私は目を閉じ、意識が途切れた。
65人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ほう(プロフ) - 枕崎のみやさん» コメントありがとうございます!小説を書くのも初心者なもので…うまくかけてるかわからなかったんですが、そう言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります!ありがとうございます! (2017年8月18日 8時) (レス) id: 40101de4c2 (このIDを非表示/違反報告)
枕崎のみや(プロフ) - こんにちは。コメント失礼します。主人公ちゃんが可愛くて桂さんがいけめん。もう、癒されてしまいます。更新頑張って下さい、応援してます!! (2017年8月17日 12時) (レス) id: 308a21cffc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ほう | 作成日時:2017年8月10日 15時