アイジョウヒョウゲン (ページ3)

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Aside

私は花咲A。
18歳。今日は3月1日。
大好きな高校を卒業します。

実は高校３年生の1年間、ずっと片想いで…。

彼の名前は浦田渉くん。
1部の女の子でモテている。

運動も成績も優秀。ちょっぴり小柄でクールだけど気遣いができる。そんな所に女の子は惹かれるみたい。(私もだけど)

浦田くんの部活は軽音部で、私の小さい頃からの仲である千里も同じ部活で、よく放課後で帰る時に廊下で千里が浦田くんの身長を馬鹿にしたり、ちょっかい出したりしてるのよく見かけてたっけ…。

浦田くんとは3年生の時にクラスが一緒で、まさかの学級委員に私と浦田くんの2人が選ばれて。

クラスのみんなが成績優秀な浦田くんと真面目な花咲でいいだろって意見が一致して仕方なく受け入れたんだっけ。

それからよく一緒にやることが増えて、次第に浦田くんの魅力を知って、気がつけば恋に落ちてて。

でも私、今まで"恋愛＜友情"って感じだったから恋愛経験なんて全く無くて、告白なんてする勇気なかった、遠くで見てるだけでいいって思ってて気付けば卒業式。

はあ…さよなら初恋の人…

そんな感じで旅立ちの日に、歌った。

在校生に見送られた後、卒業生は校内に残って写真を撮ったり先生と話をしたりしていた。
私ももちろん友達と写真を撮ってたりしてて。

そんな時に浦田くんに「最後の学級委員の仕事」って呼ばれて、そんなのあったっけ…なんて考えながら廊下を歩く浦田くんの後ろを追う。

3年生のクラスから少し離れると
人気のない廊下。

そこで浦田くんが立ち止まって、私の方に振り返った。

いつものクールな浦田くんとはちょっと違って恥ずかしそうに目を泳がせていていた。

恥ずかしくなるくらいの何かがあったのか。
むしろ好きな人とこんな二人っきりとかこっちが恥ずかしいんだが。
そんなことが頭によぎった時。

う「……すき」

彼の口から出てきたのはその2文字。

最初急な展開で頭が真っ白になった。

「ぇ…」

驚き過ぎて自然と声が小さくなる。

その後彼は吹っ切れたのか、泳がせていた目線を私にまっすぐ向けて、

う「花咲さんがすきです。…付き合ってください。」

私の名前を言った。
私が好き…？両思い？

「わ、私も…浦田くんが…すき、です」

声震えてたけど聞き取れたかな…なんて思って浦田くんの顔を見ると、

「よかった」

そう言って目が無くなる位の笑顔を私に見せた。

そして私達は付き合うことになった。