コート場の帝王 ７【○○○！！】

帝王 236 ページ10

澤村「烏野ー！ッファイ！」

全員「「オォース！！」」






円陣を組んで士気を高める


相手は「お祭りチーム」と揶揄される、テンションアゲアゲの高校

波に乗ってきている相手なので気は緩められない





照島「おっ！用心棒くん達じゃん〜」

田中「ヨージンボー？」

縁下「護衛とかボディガードとか、そういう意味」






アップを終え散らばったボールを片していた時だった


転がってきたバレーボールを拾い、取りに来た選手に渡そうと顔を上げれば、それはつい先程Aにちょっかいをかけていた男

警戒心を抱けば「用心棒」などと言われ、別に否定するつもりも無いが 何だか癪に障る







縁下「なんですか。俺たちに喧嘩でも売りに？」

田中「(え、縁下ってAが絡むと強いよな…)」







さすが、帝人夫婦の鬼嫁と言われる縁下

イカつい見た目の照島に臆すること無く対峙している






照島「喧嘩ってより、宣戦布告」

縁下・田中「「？」」

照島「…アンタらの大事なお姫サマ、護れるモンなら護ってみろよ」






やっぱりこの照島とかいう奴は癪に障る男だ。


バチバチと火花を散らして睨み合う照島と、田中・縁下の2人







田中「Aは俺達が護る」

縁下「悪いけど彼奴は渡さないよ」

照島「フッ」







普段のおちゃらけた様子などは微塵も感じさせない


じっと敵を見据え、自分に言い聞かせるように強く言葉を発する2人

その様子を照島は鼻で笑った




「護れるモンなら護ってみろ」




うん、我ながら中々良い挑発だったと褒めてやりたい






照島「ふふ〜んっ♪」


縁下・田中「「…」」






上機嫌に自陣に帰っていった金髪刈り上げ舌ピの彼





──絶対に負けられない

───勝たなくてはいけない




残された2人は、これから行われる試合に決意を固めた。










・









「(ピピーーーッ)」






西谷「旭さんナイッサー！」

東峰「ふっ！(ドッ」






試合開始


サーブは烏野の東峰からで、これをリベロが拾うが強烈なそれに少し乱れる


ボールはエンドライン近くだったのでアンダーで返すと思った






照島「っと！(ガンッ」

烏野「「！」」





しかし照島はそこから振り向きざまに強打で返した


軽やかな身のこなしとそこから決められるセンス






『…言うだけあんじゃん』






軽口や挑発にどのような実力かと思えば中々のもの


目を細めた紅鬼は静かに口角を吊り上げた。

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