コート場の帝王 ７【○○○！！】

帝王 番外編８ ページ22

濡れ羽色の長い黒髪

前屈みになった時に見えた白い鎖骨

小さくぷるんと主張する赤い唇






田中「あ、アリガトウゴザイマス！///」

菅原「田中が挙動不審になってる(笑)」

日向「ほぇ〜…」

影山「(この人男なのか？女にしか見えねぇ)」






お冷を運んで来てくれたのは、噂をしていたセーラー服の子だった


乱雑な置き方に文句の1つでも言ってやろうかと顔を上げれば、それも黙らすほどのとんでもない美少女


てか近くで見るとすんげぇ可愛い

1年なんて皆、口を開けて固まっている







東峰「一応男の子、なんだよね？」

澤村「全く見えないな」

木下「完成度たっけぇ…」





身長は確かにあるが、ブカブカのセーラー服で上手くカバーされている

そして、近くでその顔を見ればびっくりするほど整っていて、黒髪ロングに真っ赤なリップが良く映える





縁下「いらっしゃいませー」

西谷「力！」

山口「縁下さんこんにちは！」

縁下「おぉ皆さんも来てくれたんですね！」




だから廊下が騒がしかったのか、と楽しそうに笑う縁下

そんな彼にずっと気になっていた1つの質問をぶつけた





西谷「なぁAは？」

澤村「働いてる時間に来たつもりだったけど見かけないんだ」

田中「俺たち全員で来たから逃げたんだろ！」

「逃げてねぇよ」

田中「…は？」





「オレは逃げてねぇ」







すぐ横から聞こえた聞き覚えのある声

しかし隣に立つのは、見た事も無いような超絶美人のセーラー服の彼女(？)







…まさか。



恐る恐る、嘲笑いを含んだ男の声が聞こえた方向に視線を向ける









『案外気付かれねぇもんだな』



バレー部「「「………A？！？」」」







長い毛先を弄ぶセーラー服の美少女



あぁ、今気付いた

このルビーのような紅の瞳を持つ男は彼奴しかいない






田中「お、ま…ホントにAかッ？」

『おう』

木下「まって理解が追いつかない」

菅原「面白いくらいに2年生戸惑ってるな〜」

澤村「ッこれ本当に本物のAなのか」

東峰「大地、驚き過ぎて立ち上がっちゃったよ」






確かに、この薄化粧した美人フェイスも よくよく見れば毎日飽きる程顔を突き合わせるあの青年の物



うっわ全く気づかなかった

ネタ枠だと思って来たのに見事にしてやられた








木下「てか、顔と声が一致しない」←

成田「めちゃくちゃ可愛いのに声が低い」←

『男だから』←

田中「いきなりすげぇ現実的だな」←

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