30話 ページ31
伊「ふっ……これでも恋はまだ諦めてないですよ」
冗談めいたように伊丹が言うと黒井は失笑しながら伊丹を見る。
「伊丹さん、やっぱ面白い方ですね」
伊「そうですか？」
照れたように頭を掻き、微笑んで黒井を真っ直ぐ見た。
一瞬、2人とも笑顔ながらも内心真面目で見つめ合う。
「……」
伊「……」
仕事仲間では決してない、恋人同士の様ないつもと全く違う雰囲気が2人の間に流れた。
だが、
店員「失礼しまーす、豚骨ラーメンのニンニク大盛りでーす」
そう言って頼んでいた2つのラーメンが届いた。
「ありがとうございます」
黒井はそう小さく言い箸を取って食べ始めた。
「ほら、伊丹さんも食べましょうよ。伸びちゃいますよ？」
黒井はマイペースに麺をすすりながら言う。
伊「あ、ああ……」
伊丹は残念そうに頷くと黒井と同じように食べ始めた。
—————————
芹「先輩と黒井ちゃん、良い雰囲気ですね」
冠「ですね」
冠城と芹沢は黒井達から少し離れたテーブルで2人を見ていた。警視庁からここまで着いて来たのだ。
芹「これで先輩も万年独身から脱出出来たら良いんだけどねぇ」
冠「俺的には黒井ちゃんは俺と一緒にいて欲しいんですけど」
口を尖らせて冠城は言った。
芹「ははは。でも伊丹先輩は黒井ちゃんのこと好きだから、譲ってあげて？」
冠「いや、譲りませんよ？実質ライバルになりますねw」
冗談めかして冠城は言い、芹沢は少し笑った。
芹「俺は、先輩の恋を推すよ〜w」
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作者名：Rei | 作成日時：2023年10月22日 14時
