17話 ページ18
昼頃、警視庁の屋上でタバコを吸っていると伊丹が歩いて来た。
「あ、どうも」
黒井が会釈すると伊丹も会釈で返した。
「あの事件、進展ありました？」
伊「いえ、何も……」
伊丹は悔しそうに煙を吐き出した。
「そうですか……」
「その警官の方の関係性とかは？」
伊「橋下隆……ああ、その警官の名前です、橋下はマスコミに事件の情報を流していたそうですよ」
「え、それ……大丈夫なんですか」
伊「まあ流してもいい情報だけで上の人間は黙認していたそうです」
「……そうだったんですね」
伊「ですが最近は情報を流さなくなった様です」
「へぇ……」
黒井は深く煙を吐き出すとタバコの火を消してその場を去った。
—————————
「こんにちは〜……」
黒井は1人で特命係を訪れた。
冠「えっ黒井ちゃん、1人で来たの？青木は？」
「青木さんはまだお仕事です」
冠「ああ……で、なんで来たの？」
「いや……昨日杉下さんが気になっていた時件、あそこの捜査会議に参加して来たんです。それで……少しは情報を持って来ましたけど、知りたいですか？」
冠「え⁉︎欲しい欲しい！」
杉「何故ですか」
「え？」
杉「何故そんなに僕たち特命係に協力的な姿勢なのですか？」
「それは……」
「私、神戸さんと仲良くて特命係のことよく聞いてたんです。というか別に特命係のこと、嫌いじゃないですし」
真意の見えない笑顔で黒井は微笑んだ。杉下も同じ笑みで返した。
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作者名：Rei | 作成日時：2023年10月22日 14時
