16話 ページ17
次の日……
黒井は昨日よりはラフなスーツ姿で警視庁に出庁した。
「おはようございます」
サイバー課の青木に挨拶すると青木は嬉しそうにこっちに近づいてきた。
青「昨日、冠城をフったってマジ?」
「え?」
青「冠城に聞いたよ〜あいつがお前のこと口説いたらばっさり切り捨てられたって嘆いてたよ」
冠城が嘆くほどなんて思っておらず、少し驚いた。
「別に……フった訳じゃないですよ。全然仲良くはしたいですよ、ただ恋人として「好き」というわけじゃないだけで」
青「ふーん?」
まだ興味のありそうな相槌を打ちながら青木は机に戻った。
黒井は資料を整理しようとパソコンに向かうと携帯からメールの着信音が鳴った。
見ると昨日一応交換した冠城からメールが届いていた。
冠〈明日の昼ランチに行きませんか?〉
昨日も飲みに行ったのに性懲りもなく冠城が誘ってきたのに黒井は小さく舌打ちをした。
黒井は丁寧なメールで返した。
〈ありがとうございます。ですが明日の昼は予定が入っていまして……すいません〉
送った後、直ぐに返事が返ってきた。
冠〈じゃあまた今度誘うね〉
文面から冠城の寂しさが分かった。
「ふふ」
黒井は少し笑うと携帯を閉じ、パソコンの方に向き直り仕事を再開した。
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作者名:Rei | 作成日時:2023年10月22日 14時