11話 ページ12
そんな会話をしながら歩いていると捜査本部がある会議室に着いた。
伊「サイバー課の座るところは……えっとここですね」
伊丹に示された席に座って会議が始まるのを待っていると……
中園「おい、会議始めるぞ」
「中園照男」と書いてある席に座る制服姿の男性が会議を開始する指示を出した。
捜査員が口々に参事官と呼んでいることからきっと参事官なのだろう。
中園「よし！これから池袋署警察官殺害事件の捜査会議を始める！」
中園の号令で全員が一斉に立ち礼をした。
この本部は昼頃、杉下さんが気にしていた事件の本部だ。黒井は事件の要所をメモしていく。
捜査方針は変わらず、流れを確認するだけで終わってしまった。
芹「お疲れ様」
終わった後、メモを整理していると後ろから芹沢が声を掛けた。伊丹も一緒だ。
「ああ、お疲れ様です」
黒井は軽く会釈するとポケットの中にメモ帳を入れた。
「失礼します」
そう言いながら手を出すとライターが一緒に落ちてしまった。
だが黒井はそれに気づかず行ってしまった。
芹「ちょっ、落として……え、ライター？」
芹沢は黒井が落とた物を拾うと首を傾げた。
伊「黒井さん、タバコ吸うんだな」
芹「そうっぽいですね」
伊「でも全然タバコ臭くなかったぞ」
芹「まあ先輩とは違うでしょうね」
バシッ
伊丹の右手が芹沢の頭を叩いた。
芹「痛いっすよ……えっ？先輩？」
伊「とりあえず届けてくる」
—————————
「あれ……あれ？」
サイバー課に帰って来た黒井はポケットの中にあったはずのライターを探していた。
青「何探してんだ？」
「いや……何も」
黒井は誤魔化した。今時警察官でタバコを吸う人は少ない。
そしてタバコを吸う警察官は、余り印象が良くないと言われる。キャリアなら尚更だ。
伊「お探しの物、これですか？」
振り向くと伊丹が黒井のライターを持っていた。
「それです！あ、ありがとうございます……」
伊「タバコ、吸うんですね」
「まあ、少し……」
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作者名：Rei | 作成日時：2023年10月22日 14時
