歪情 (ページ35)

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対面 - Hokuto side ページ35

2022年9月＿＿＿

8月も後半になると、俺達は一課が追っている事件に協力をする羽目になり、転落事故の方に時間を費やせなくなっていた。

そんな忙しかった8月が終わり、9月半ば。
残暑に苦しめられながらも、何とか一課の件を片付け終えた時だった。
突然ある有力な情報が得られた。

hk「樹くんの居場所が分かったんですか！？」

どうやら髙地さんはこの馬鹿忙しい間も、密かに樹くんの知り合いに声をかけて一人で調べていたらしい。
すると、彼の大学時代の友人が樹くんの高校時代の友人だったらしく、なんと数日前に樹くんに会っていたことが分かった。

yg「樹くんは浮輪市で陶芸教室をやっているらしい。」

hk「陶芸教室？へぇーあぁ見えてそういう趣味あるんだなぁ。」

yg「どう見えてよ？」

hk「いや、何ていうかまぁ……。」

偏見だと切り捨てられるのが目に見えていたので、適当に流した。
彼の目には樹くんはどう映っているのか気になった。

yg「一課の件も片付いたことだし、早速会いに行こうかと思うんだけど。」

hk「良いですね、県内なんで近いですし。」

yg「とりあえず生きてて良かったよ。」

hk「現在の情報がずっと不明でしたけど、これで少しは見えてくるかもしれませんね。」

yg「いやほんと、まじであいつナイスだわぁ。」

「今度何か奢ってやるか」と呟いてニコニコ笑顔で部屋を出ていく髙地さん。

相手が大学の友人だからか、完全に学生のノリで思わずクスリと笑ってしまった。