歪情 (ページ18)

今日:38 hit、昨日:25 hit、合計:55,273 hit

3 - Hokuto side ページ18

yg「ちなみに、ルイス・ジェシーという人物について何かご存知ありませんか？」

「ルイス……？いえ、存じ上げないです。」

yg「父からも名前は伺ってない感じですかね？」

「えぇ、貴方のお父様とはあまりお話していませんでしたから……。」

やはりなかなかこれといった情報は掴めないみたいだ。

樹くんと一緒に過ごしていたのだから、もしかすると彼とジェシーくんとの関係も何か知ってるかもしれないと思ったのだが。

yg「分かりました……長々とお時間頂戴してしまい申し訳ありませんでした。」

髙地さんが写真を彼女にお返しすると、彼女は2人が写っている写真をこちらに返してきた。

「これはそちらにお預け致します。」

yg「えっ、いやそれは……。」

「捜査にお使い下さい、まだ樹の叔父の事故も事件性を疑っているのでしょう？」

yg「よくご存知で……。」

彼女は溜息をつくと大我くんが写っている写真を手に取った。

「それに、大我のこともまだ解決していません。」

彼女は俺達を交互に見て言った。
彼女達一般市民からすれば俺達も当時の警察も同じ「警察」だ。
警察に対する失望は俺達にも向けられて当然である。

「全てが解決したら、また返しにこちらへおいで下さい。」

yg「……分かりました、必ず解決してこちらへまたお伺いします。」

「ありがとうございます」と2人で深々とお辞儀をした。
顔を上げると、彼女の顔には少しだけ優しそうな笑みが浮かんでいた。