philosophical girl【アンナチュラル】

philosophical 8 ページ10

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烏「カギは橘芹菜の殺害を証明できるかどうかです。

1人でも殺害を立証できれば、
高瀬を連続殺人で裁く突破口になります」



会議室では、ミコトと烏田が話をしていた。



ミ「橘芹菜さんの死因ははっきりしています。


ホルマリンの投与による殺人。
それを言い逃れること…


烏「いや、ただ弁護側は、
死因は食中毒だと主張しています」


ミ「えっ？」


烏「現に橘さんの体内からは、
ボツリヌス菌が検出されています」


ミ「この菌は橘芹菜さんが殺された後、
胃の中で繁殖したものです。

ホルマリンで殺されたのが先です」


烏「ところが、高瀬の証言があるんです」


ミ「証言？」


烏「内見中ずっと気分が悪い、
お昼に変なものを食べて吐き気がすると…。

その後倒れたので、それが死因ではないかと」


ミ「そんなはず…」



なぜ、ボツリヌス菌のことを知っているのか。
ミコトは困惑する。



烏「単刀直入に言います。


鑑定書にあるボツリヌス菌に関する
記述を全て削除していただきたい。


ボツリヌス菌には触れないで下さい」


ミ「嘘の鑑定書を作れというんですか？」


烏「いやいや、

死因に関係のない、裁判員に誤解を与える記述は
削除するべきだと言っているだけです。


高瀬を確実に有罪にするためです。



あなたのその小さなプライドをほんの少し曲げていただけるだけで、高瀬を法で裁くことができる」



ミコトに、大きな責任がかかっていた。



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