【実話】あしたいいこと、3%

努力をする才能。 ページ10

小学校受験をした。

私は物心つく前、親の転勤の都合で外国にいた。

日本に帰ってきて日本語を理解できるようになって。


“お受験”の準備ができたのは受験の１年前。

気がついたら、友達になろうと声をかけてきた人とも離れていて。

小学校に入るために、意味の分からないことを必死に理解しようとして。

結果は不合格。


小学校に行けなくなるんじゃないかって大泣きした。

そんな私を運が悪かっただけだと慰めていた、

その笑い方で。


母親は祖母と、

「お前が悪かったんだ。」と言った。

その言葉だけが今も頭の中にこびりついている。


祖母、母親、叔母は私が受験した小学校に入学して、そこの短大や大学を卒業している。

『私は○○を卒業している。』


ふざけんな。

お前なんか姉妹が成績良かっただけで入れたくせに。

勉強する期間も充分にあったくせに。

お前らの時代はもっと簡単だったくせに。

同じだと思わないでよ。

ねぇなんで。

なんであんたの適当に受けさせた、っていうその甘い考えにいつまでも怯えなきゃいけないの？

考えるなって言われて未練がなくなるわけじゃないんだよ。

何度考えても、怖くなるんだよ。


『みんな卒業したから』

『別に運試し程度で受けただけだから。』

じゃあなんで従姉は許されたの。

なんであの子は好きな道を許されたの。


公立に進級して。

また兄みたいに受験して。

何回も何回も思い出して悪夢を見て。

当日に、あの日の吐き気や恐怖を思い出して。



結果的には受かった。

でも、今も、どれだけ経ってもあの言葉が私を苦しめ続ける。


もしあの日に戻れるなら、

親に全部吐き出せるのに。

しんじる。→←弱さを証明する。

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