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「新、何で怒ってん？」
急に、悪びれもなく笑って、確信をつかれたから。
「‥どうしてん？あら…」
中目先生が、俺の名前をハッキリ言えへんくらい強い力で、いつの間にか先生の事抱きしめてた。
「‥消毒してる‥」
「‥消毒？」
何やそれ？バカにしたようにククって笑うから、
「吉川が、触ったとこ、俺で消毒してるねん」
自分でも何言ってるかわからんけど、とりあえずそう言って、中目先生の首元に、顔を埋めた。
「なんや、可愛いとこあるやん、新」
そう言って俺の頭を撫でてくれてる。吉川に抱きしめられた時は、あんなに動揺してたのに、俺には余裕でそんな事出来るねんな。
「俺の事、子供や思てるやろ‥」
言うてて、自分で悲しくなった。
10以上も歳が離れてるのに、経験値なんて追いつけるはずなんてないのに。
「思ってる」そう言ってクスクス笑う先生を、もうええわと解放した。
「‥予定外やったけど‥」
先生がそう呟いて、
「新のええ顔見れて嬉しいわ」って意味わからんこと言われた。
「新、何で怒ってん？」
もう一度、ゆっくり、優しく聞く先生の声に。
「中目先生が好きやから」
と、今度は素直に答えた。
「よくできました」
今度は、先生が、俺を抱きしめてくれて、
「高校生か‥」
うーん、と小さく唸る声が聞こえた。
「俺の事、どうしたらちゃんと対象としてみてくれる？」
「…見てへん事はないで。ただ、年齢がな？」
「先生って意外と真面目なんやな」
言うたら、「不真面目なとこなんて見せた事ないけど」って、首捻ってる。
「…じゃあ、歳の事抜きにして、俺としたいか、したないかだけ真面目に聞かせて」
俺もきちんと、中目先生の目を見て真剣に聞いたら。
「…したいに決まってるやん」
俺の唇スレスレに中目先生の吐息がかかる。
「…先生、俺もうすぐ18やねん」
ちょっと興奮してきてる自分を、先生に少し近づけて、ちらっとベッドの方をみたら、
「やらしいDVD見過ぎや、新」
って、笑って怒られた。
ちょっと先のこと期待したもんの、今、この関係がバレて中目先生が、保健室からおらんなったら、俺の楽しみは半減する。やから、我慢はしたい。
「…俺、卒業までちゃんと我慢するから」
決心鈍らんように、中目先生から身体をはなして、きちんと伝えたら、
「じゃあ、卒業式の後、このベッド貸切にするわ」
って言われて、鼻血出そうになった。
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作者名：みぃ | 作成日時：2017年11月8日 2時
