ラバーソウル！ (ページ21)

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「空、ちょっとさっきの授業でわからんとこあんねんけど」

俺より、はるかに頭のいい空に、ノートを持って聞きにいったら、

「元に聞いて」

って、廊下に逃げて行ってしまった。

なんやねん、あいつ、
俺にわからんのに、元にわかるわけないやん。

はんちゃんの事、気持ち悪い笑顔で見てる元を見て、ため息ついて。

なんや、こないだの保健室の事と関係あるんやろか、そう思って、昼休みに空を問い詰めたら、

「新は‥俺と付き合える？」

下を向いていた空がチラッと俺を見上げた。

は？

え？

何言ってんの？

「お前、もとちゃん先生どうしてん？ほんまに好きやったんちゃうんか？」

って柄にもなく声張り上げてもうた。

「‥好きやけど、どうにもならん事もあんねん。俺、もとちゃん先生に迷惑かけたない」

って、今まで見た事ないくらい、小さくなってる。

「中目に、なんか言われたんやろ？」

っていったら、必死で頭横に振ってるけど、絶対言われたな、コレ。

「どうにもならん事も、どうにかしようと努力すんのが恋愛やろ？」言うたもんの、努力せんでも手に入れてきた空にはこれ、響くんやろうか。俺にも言えた事やけど。

「とりあえず、近場ですませようとすんな」

な？冗談込めて、頭撫でてあげたら

「そんな、つもりやないで。ちゃんと考えた」

そう、俺を見つめて

「新より、イケメン見た事ないし、頭もいいし、一緒にいて楽しいし、優しいし、おもろいし‥それに‥」

って次々出てくる褒め言葉に、あれ、俺そんな空に言われて、満更でもないやん、って

「あ、ありがとう」

照れてそう伝えたら

「ただ興奮はせん、」

って言われて、

「いや、それ、1番大事なとこ！」

って速攻突っ込んだ。

ふふって思わず笑った空に、

「とりあえず、ちゃんと気持ち伝えて、どうにもならんかったら、俺の事なんぼでも好きになったらええよ」アホな事言うて。

空はただ、ありがとう、と元々下がっている目尻をもっと下げて笑ってくれた。

「俺、もとちゃん先生のとこ行ってくるわ」

「え？早ない？」

焦んなって！って、叫ぶ俺に、

昼休み終わってまう！と返して、窓の下に見えてるもとちゃん先生の所に走っていってしまった。

「‥フラれたらどうすんねん、」

どうやって慰めよ、そんな事考えたらなんでか、めっちゃワクワクしてしまった。