ラバーソウル！ (ページ20)

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ああ、俺今、世界一いらんもん見てもうた。

心臓が、違う意味でバクバクしてる。
落ち着かへん。

「トイレ、行きたいけど、まだ時間あるかな？」

そう言って、スマホで時間確認したはんちゃんの待ち受け、にっこり笑った女の子と、はんちゃんのアップのツーショットやったわ。

人のスマホなんて、興味ないけど、地面に置いたまま、ボタンなんて押したら、あかんやん、はんちゃん。

はんちゃん、男兄弟しかおらんし、あの2人の表情から、妹でしたなんて、ハッピーなオチもなさそうやわ。

明らかに動揺して。

もしかして、1人で田舎帰るって言い出したんも、俺が邪魔やからってことか。
そうおもたら合点が行くわ。

あぁ‥これで俺何回はんちゃんに失恋してんねやろ。って思ったら、元なにしてんの？ってはんちゃんが笑ってる。

なんか、目瞑って天を仰いでたらしいわ。

みんな、俺に、元気分けてくれ。頼む。酢昆布一枚分で許したるから。

「帰ってきたら、2人だけでどっか遊びに行こうや」

って、言われて、

「行く！！！」

って速攻返事したら、

「元は寂しがりやな」

って笑われたけど、それはんちゃんに、限定やからなって、言わんでおいた。

「はんちゃんは、彼女おるから、寂しないな」

思わずそんな事口に出してもうて、自分の傷口に塩塗ってもうた。俺自爆してどうすんねん。

「あー、まだ彼女やないよ、幼馴染」

まだ、なんてつけて、やっぱり夏休みに告白するんやわって、自分で傷口広げて、

「そうか、気持ち上手く伝えられたらええな」

って、作った笑顔で笑いかけたら、はんちゃんに、な？って笑って返された。