イブラブ！！ (ページ5)

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「で、朝からぐふぐふ笑ってたやつ、何やったん？」

さっきまでの話をまるでなかったみたいに又ウキウキした顔見せて、俺の顔覗き込む優人。ガラッと空気を変えるのがうまい優人のこういうとこ、俺めっちゃ好き。

「いや、それがな‥」

思わず溢れそうやった涙は、頬をかく仕草のついでに拭いといた。

彼女のマンションの前から逃亡した後、缶コーヒー事件から、ツリー前で聞いた笑い声心霊現象、そしてふわふわな女の子に出逢ったとこまで、言わんでもええ話はいっぱいあったけど、ストーリー仕立ての俺の話を優人は、笑いながら、時には突っ込みながらずっと聞いてくれた。

「‥黒髪ロング‥まじ国宝級っす。」

優人さん。目をキラキラさせて拳を握る俺に、「俺はショート派やけど」って呟いて、いや、何でもないって1人照れていたのはちょっと無視しとく。

だって今俺の時間やから。

「でな、ストールかけてくれた後、彼女帰ろうとしたから、待ってください言うて。良かったらこれって、キンキンに冷たなった缶コーヒー渡してん。何やわからんけど」

「何か逆に失礼やなそれ」

ふはっと笑った優人に、やろ？アホやな俺、と笑っておいた。

「その後、彼女静かに口抑えながら笑って、あれ？これさっきツリーの前で聞いた笑い声やわって」

あぁ～と優人が腕を組みながら大きく頷く。

「多分、近くで座って見てたんよね、俺の事。缶コーヒー見ながらわろてたから多分ずっとやな。
何か独り言言うてるし、変なやつおるぞみたいな。
何やわからんけど、それに気づいたら嬉しなって、俺、次いつ会えますか？って思わず大きい声だしてもぉて。

あ！引かれたかな？って思ったら、彼女‥

にっこぉって笑って

『明日、この時間に、ツリーの前で』

って」

可愛かったなぁ‥て1人デレデレしてたら、優人の『あかん！昼休み終わりや！秀太くんに怒られる！』という声に現実に戻された。

はっ！それは、あかん！

「もう頭もたへんわ」ボソッと呟いたら「秀太くんほんまは優しい人やねんで」といつの間にか秀太くん呼びになってる優人に気づかんふりして、急ご！ってダッシュした。