イブラブ！！ (ページ4)

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「で？なにがあったん？」

朝の一連は秀太が、自分の席に着いた途端魔法が解けたように元の皆んなに戻った。
何か手元で魔法陣描いてるようにも見えたし、秀太すげぇ。

やっと話を聞けると、お昼休みになった途端優人が手を引いて俺を近くの公園のベンチに連れてきた。

「まぁ、弁当食べながら話そうや」

話したいのを我慢して弁当の風呂敷の結び目を解く。
そやな、と菓子パンにかじりつく優人はじっと俺の弁当を見ながらパンをモグモグしてる。
きっと俺の作った卵焼きをおかずにメロンパン食べてるなこれ、一体どんな味してんのやろ

「どきゅんと！どきゅーんときたんよ！」

抑えきれんとモグモグモグモグお口が忙しい優人に言ってみたけど、俺の顔を見た優人の表情は変わらへん

「なぁ、げん」

「ん？」

「それ、去年の今日もおんなじ事言ってたで」

「え？」

「去年の12月25日、お昼休みに同じ事言うとった」

運命の人に出会ったって、目ぇキラキラさせて、そう付け加えた優人は少し呆れてるような顔してる。

「ちゃうねん、あの子は運命の人じゃなかった。」

尻窄みになる俺の言葉に、

「今日、仕事終わったら彼女の家にプレゼントもっていくってうれしそうにしとったやん？」

意外とげんって気が多いんやな、とまだ前を向きながら、俺を見ずにお口、モグモグしてる。

‥ちゃうよ。

「運命の人やと思ってた。昨日までは‥俺はやで。」

さっきまでと違う俺の口調に、優人はやっとお口を止めて俺の方、向いてくれた。

「俺男子校やったし女子苦手で、21歳でやっとできた彼女やったから、浮かれすぎて何も見えてんかってんなきっと。」

ええ勉強なったわ。ハハッと乾いた笑いが自然にでて、自分の慰める為の言葉に虚しくなった。

「‥昨日の夜な、彼女の家に行ってん‥驚かせたろおもて。

昼間お互い仕事で会えへんし、彼女も夜は友達と家でパーティするとかいうから、サンタのコスチューム着て。
白いでっかい袋に友達の分のプレゼントも詰めて。
まぁ彼女が欲しがってた指輪は2人の時に渡したいから、女子受けしそうな雑貨とかな。
でな‥行ったんよ。
彼女の家に。」

はぁと大きく吐いた息を聞いて、優人が無理せんでええよと静かに呟いた。

「‥そやな‥まぁ、俺は2番目やったってことや。それか、自分の好きなもの買ってくれる都合のいい‥」

そこまで言ってうって息が詰まった。
あのふわふわな女の子に出逢って、俺の最悪な日は最高の日になったと思ったのに。