イブラブ！！ (ページ14)

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「ちょっ、ちょお待って森ちゃん！」

いつも体を動かしている森ちゃんと違って、デスクワークの俺に渾身のダッシュはキツイ。

いや、キツイのダッシュだけやで。俺、腹筋、背筋するの好きやし、腹筋6つに割れてるから。マジで。

2人ともハァハァ言いながら、近くにあった公園のベンチに座った。都会にもこんなとこあんねんな。なんか、コンクリの壁めっちゃペンキで落書きされてるけど。

「‥ごめんやで、元」

何に謝ったんかわからんけど、森ちゃんが俺より早く息を整えて口に出した。

俺、まだ、声でえへん。無理したらさっき食べたハンバーガー出てきそう。

考えてもなんていうたらええかわからんくて、とりあえず首を横に振っといた。

「‥俺の汚いとこ見せてもうた。」

俺の事、嫌いにならんで、元

そう言って、自分の顔を手で覆って震える森ちゃんを何でか、めっちゃ可愛いと思ってしまった。

なんや、俺、変態か。

なんの種類のかわからんけど。

「‥なんも、汚いとこなんてあらへんよ。森ちゃんには」

森ちゃんは、綺麗や。いつも人の事、先に考えてくれる優しい人やん。

そう言って森ちゃんの前に屈んで、抱きしめてやる。

ちょっとだけやけど、俺森ちゃんよりでかくてよかった。なんかちょうどいいし。

森ちゃん‥可愛い‥これだけは絶対口に出さんようにして背中をゆっくりさすってやる。

森ちゃんの震えが落ち着いてきたのでゆっくり身体を起こしてあげた。
いつも入れているズボンの後ろポケットから小さめのタオルハンカチを出して、顔拭きって森ちゃんに渡したら、ありがと、って小さく言ってハンカチで顔を隠した。

「あれ、元の元カノやろ？」

小さくい呟いて

「‥ヤキモチやいてん」

まだ、ハンカチで顔を隠したままの森ちゃんがポツリと言った。

「…ヤキモチヤイテン？」

え？と首を傾げて見上げる俺に

「なんか、嫌やってん。あの女の子が元と喋ってんの。今、元とおるん、俺やのに。俺と元の時間やのにって」

だから、あんな酷い事言うてもうた。

やっと顔を出してくれた森ちゃんは、お鼻が真っ赤になっていて、気まずいのか目を合わせてくれようとせえへん

「か‥」

「…ん？」

「か‥」

「え？」

「かっわいいなぁ、森ちゃんわぁぁぁ」

うわぁぁと言って騒ぐ森ちゃんを、俺はおもくそ抱きしめた。