イブラブ！！ (ページ13)

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繁華街の大通りを森ちゃんと歩いていたら、

「ほんっまに一個も持ってへんの？！」

森ちゃんが思わず口を抑える程大きい声でさけんだ。
森ちゃん、大袈裟やって、しぃって思わず指をたてた。

てか、え？何に？いつ必要？男のアクセサリーって？

「付けなあかん時ってないやん」

ボソッと言うたら、そうやけど、やって、お揃いの指輪とか。彼女おったんやろ？と森ちゃんが生傷を掘り起こしてたたみかけてくる。おぅ、何や今その傷にワサビでも塗ったんちゃうか。

「んん‥これ、欲しいって指定はされたけど、ペアやなかったな」

難しい顔で、腕組みをして、あれ、渡せんかったから家あるんちゃうか？どこやったっけ？
ってボソボソいってたら。

ふわって、

‥ふわって匂いがした。

懐かしい匂い。

森ちゃんのものとは違う、あん時は、苦手やった香水の匂い。

ん‥

前から歩いてくるのは、俺のガチタイプな、黒髪ロングヘア。黒のミニワンピースにロングブーツ。ピンクのモヘアのカーディガンを着た

「元やん？久しぶり」

大好きで、大好きで、仕方なかった‥元カノやった。

「お、おぅ久しぶり」

気づかれんように下を向いたけどちょっと遅かったみたいや。
ほんの数ヶ月前俺の事捨てといて、何もなかった様に笑って話しかけてくる女はやっぱり切り替えが早くてこわい。

「相変わらずやなぁ、元は」

俺の足先から頭まで見上げてにっこり笑う。

相変わらずの意味は、相変わらず地味やなって意味やな。そう思ってたら

彼女は、ふって小さく笑ってから、何気に隣にいた森ちゃんを見て目を見開いた。

あれやな、これは。一目惚れってやつ。

俺、森ちゃんと友達になってから、何回もこれを見てる。

もう慣れた。

「元の友達？」

初めまして！
って右手を差し出している彼女。
明らかに目がハートになってるやん。口元にやけてるやん。付き合ってビーム出てるやん。

森ちゃんの事やから、俺の時みたいに、にっこり笑って上手い事友達になるんやろな。元カノやなんて言ってないし。なんて思って森ちゃんの様子を伺ってたら。

「俺、クソ人間嫌いなんで」喋りたくもない、といって俺の手を力強く引っ張って走り出した。