ページ25
倉庫の扉の隙間から覗く赤い着物の女を発見してしまった私とメガネ君。
私は驚きと恐怖で固まるが、メガネ君は悲鳴をあげて争っていた沖田クンとうさぎちゃんの頭を鷲掴みにした。
………鷲掴みにした？？？
次の瞬間、メガネ君はそのまま女に向かって土下座をかました。
「スンマッセンとりあえずスンマッセン、マジスンマッセン！！」
「エ、ちょっ、メガネ君？」
「てめーらも謝れバカヤロー！人間心から頭下げればどんな奴にも心通じんだよバカヤロー！！」
いや、あの、ちょっと落ち着こ？
沖田クンとうさぎちゃんもう気絶してるから意識ないから！
「あのホントォ！靴の裏もなめますんで勘弁してよォマジで」
「あのメガネ君、もういないから、それ止めたげて、ね？」
「僕なんて食べても美味しくない……ん？アレェ？ホントだ、いない………」
「何でいなくなったんだ…？」
首を傾げる私達。
倉庫には蚊取り線香の煙が薄く漂っていた。
もしかするとあの赤い着物の女は、幽霊じゃないのかもしれない。
倉庫での蚊取り線香からある仮説を立てた私は、メガネ君と一緒に隊士たちが寝込んでいる部屋に来ていた。
「メガネ君、どう？」
「やっぱり、幽霊にやられた人はみんな一様に蚊に刺されたような傷があります………」
つまり、
「「あれは幽霊なんかじゃない。」」
次の日の朝。
見事木に吊し上げられた赤い着物の女、改め蚊みたいな天人は子供のために強くなりたかったと述べ、謝罪していた。
それを縁側で眺める散々彼女を怖がっていた二人と並んで、私はお茶を啜っていた。
「…ったくよォ。幽霊にしろ蚊にしろハタ迷惑だってのに変わりはねーな。」
「ハタ迷惑なのはテメーだ。報酬なんぞやらんと言ってるだろ、消えろ。」
坂田も土方クンも、やれどっちがビビっていただのと見栄を張りっぱなしである。
「だよなァA？俺はあの女を投げたんだぜ、幽霊なんぞ怖くねぇよ」
「抜かせ。俺なんてなァジャーマンスープレックス決めたんだ、どっかのビビってた野郎と違ってな。」
「ふざけんな私を巻き込むんじゃねーお茶が不味くなるだろ。
あのなァ坂田、テメーは昔から怖がりだったの知ってんだよ。」
「いやそれはあの…」
「土方クンもツボに顔突っ込んでたクセに」
「だってあれは総悟が…」
はーやだやだ、こんな大人になりたくないね。
「銀ちゃん、そろそろ帰…何やってるアルか二人とも。」
「「いやコンタクト落としちゃって」」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 342人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
通行人N(プロフ) - ミウラさん» コメントありがとうございます(_ _;)そう言っていただけてとても嬉しいです✨これからも更新頑張りますので、温かい目で見守って頂ければと思います。是非、また感想をお聞かせくださいね！ (2023年4月2日 14時) (
レス) id: 39adec4ff4 (このIDを非表示/違反報告)
ミウラ(プロフ) - 本当に大好きです (2023年4月2日 14時) (レス) id: 3b25166bee (このIDを非表示/違反報告)
通行人N(プロフ) - ありがとうございます〜！自分の妄想を並べているだけですが楽しんでいただけたなら光栄です。これからも頑張るので宜しくお願いします！ (2022年9月25日 16時) (レス) id: 653891ee58 (このIDを非表示/違反報告)
リンくん(プロフ) - 面白いです！これからも頑張ってください！！ (2022年9月24日 18時) (レス) @page47 id: a5a7605112 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：通行人N | 作成日時：2022年7月20日 11時
