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「私のこと本気で斬るんなら、そのツラもっとマシにしてからにし、ろ…?」


ふわり、と紫煙が香った。

背後から感じるのは温かい人間の体温。

後ろから高杉に抱き締められているのだ。

「お前、何してっ」

理解した瞬間彼を振り払おうとするが



「てめぇが生きてて、良かった。」



そんなこと言われたら、動けなくなるだろ。







「てめぇ芹沢!どこ行ってたんだ!」

右手にりんご飴を持った私が局長サンたちの所に戻ると、あたりにはバラバラになったカラクリ。

局長サンたちもカラクリ退治にいそしんでいたようだ。

「見廻り途中に遭遇したカラクリとドンパチやってた」

「その右手のりんご飴をどうにかしてから言え、信憑性欠けんだろ」

土方クンの視線の先は食べかけのりんご飴。

しゃーねーじゃん、りんご飴食べたかったんだよ

帰るとき見つけたからつい買っちゃった。

「あ、欲しいの?いる?あげねーけど」と煽ると「いらねーわ、つかくれねーんなら聞くな」とキレる。

ちょっとからかっただけじゃーん、沸点低いな。

反省する気のない私に溜め息をついた土方クンは「祭りは中止だ」と言った。

そりゃあ中止になるわな。

屯所に帰るか、と私はりんご飴を一口頬張ると

「Aさん」

「んぁ?」

りんご飴をたべる私に声をかけた沖田クン。

「その左手、どうしたんですかィ」

沖田クンの視線の先もりんご飴、ではなく高杉に斬られた左手だった。

応急処置も何もせずにほっといているので未だ血が出ている。

「カラクリ退治でしくった」

高杉に会いました、なんて言うと面倒臭いので誤魔化すと沖田クンは「嘘ですよねィ」とこちらを見返した。

「アンタほどの人がカラクリなんかでしくる筈がねーですぜ。

本当は何があったんですかィ」

コイツ勘がいいな。

多分高杉と会ったことに気付いて質問してきてやがる。

ならこのままはぐらかすのは良くない。

私は笑みを浮かべた。

「ちょっと黒い獣に噛みつかれて。」

沖田クンはその真意を探ろうと視線を鋭くしてこちらを見てくるが、私の笑みは深まるばかり。

やがて飽きたのかふい、と視線をそらして「手ェ出してくだせぇ、俺が手当てしやす」と言った。

「いいよ、自分でできるよ」と私が断ると

「アンタ手当てするの苦手でしょ。刀の扱いはうまい癖に手当ては下手ってどういうことでィ」と食い下がる。

刀の扱いは一級品、手当ては驚くほど下手。

沖田クンの皮肉に、私は苦笑いするしかなかった。

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通行人N(プロフ) - ミウラさん» コメントありがとうございます(_ _;)そう言っていただけてとても嬉しいです✨これからも更新頑張りますので、温かい目で見守って頂ければと思います。是非、また感想をお聞かせくださいね! (2023年4月2日 14時) (レス) id: 39adec4ff4 (このIDを非表示/違反報告)
ミウラ(プロフ) - 本当に大好きです (2023年4月2日 14時) (レス) id: 3b25166bee (このIDを非表示/違反報告)
通行人N(プロフ) - ありがとうございます〜!自分の妄想を並べているだけですが楽しんでいただけたなら光栄です。これからも頑張るので宜しくお願いします! (2022年9月25日 16時) (レス) id: 653891ee58 (このIDを非表示/違反報告)
リンくん(プロフ) - 面白いです!これからも頑張ってください!! (2022年9月24日 18時) (レス) @page47 id: a5a7605112 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:通行人N | 作成日時:2022年7月20日 11時

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